私を監禁したイケメン俳優は、危険なサイコパスでした
mo-ka
第1話 窓のない部屋
真琴が目覚めるとそこは、見覚えのない無機質な空間だった。
見慣れない天井。コンクリート打ちっぱなしの壁。 窓はなく、昼か夜かもわからない。
蛍光灯がただ一つ、冷たく静かにこの部屋を照らしていた。
壁の高い位置に設けられた監視カメラが一つ、真琴をじっと見下ろしている。
足元には革の拘束具。冷たい足枷がベットにしっかりと固定されていた。
「痛っ・・・」
起き上がろうとする真琴の頭部にズキズキとした鈍い痛みが走った。もう一度、失いそうになる意識を必死に呼び戻し、真琴はその痛みの中で記憶を探った。
早瀬真琴(はやせまこと)、25歳。児童福祉司。
虐待や貧困に苦しむ子どもたちのために、昼も夜も働く正義感の塊のような女性だった。
優しさと強さを兼ね備えた彼女は、誰からも慕われている。
その日も真琴は遅くまで、ファイルに目を通していた。時計の針は既に22時をまわっている。
静まりかえったオフィスで、明日のスケジュールを確認し、真琴は通用口から外に出た。
凍るような寒さの中、ふんわり灯る街灯の光が自分の吐く息を白く映し出した。
ちらちらと点滅する消えかけの街灯。
その下を通り過ぎた時…突然、背後から首筋に手がかかった。
その腕は力強く締め上げていき、一切の抵抗を受け付けない。
「ゔっ…」
瞬時に口元を布で覆われる。ツンのする薬品の刺激臭。湧き上がる恐怖。
暗転する世界の中で、チラリと見えた横顔は・・・私のよく知る人物だった。
原作ver(R18)エブリスタにて現在(2025.10.1)第82話まで連載中
僕の中に眠る君─愛という名の支配─
https://estar.jp/novels/26447179
よろしければ、そちらも是非ご覧ください。
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