ぬるぬる魔法で成り上がろう!目覚めた転生者が不遇なスキルや魔法使いを集めてクランを作っていく

愛田 猛

プロローグ 天賦の才と覚醒

ご訪問ありがとうございます。よろしければお付き合いください。

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「アレンの天賦の才は…『ぬるぬる魔法』?」


神官の困惑した声が神殿に響き渡る。


あたりは一瞬静かになり、その直後、爆笑の渦に包まれた。



「ぎゃはは、何だそれ?」


「何か気持ち悪いわね。」


「そんな変な奴、パーティには誘わねえぞ」


いろいろな揶揄や嫌悪の声が飛び交う。


(

何だそれは?)


希望に燃えていた僕、アレンの高揚した心は、真っ逆さまにたたき落とされた。


(何でだ。何で僕がこんな目に…)


僕は、ショックを受けた。

頭の中にいろいろな思い出やわけのわからないものが流れ込んでくる。


そして僕は気を失ってしまった。




僕はアレン。孤児だ。苗字はない。12歳男子だ。


この世界では、誰でも12歳になると、神殿に行って、「天賦の才」を神様に与えられる。実際は、たぶんその前にもらっていて、その日に何であるかを神官に見てもらうということだと思う。


その儀式は冬場以外に2か月に一回あるけど、受けられるのは一生一度だけだ。


普通、村単位とかでまとまって大きな町の神殿に出かけて行って儀式を受ける。


人々の人生は、その天賦の才の内容によって、大きく変わる。


だから、この儀式は、一生で一番大事なものと言っても過言ではないんだ。


天賦の才は、職業であったりスキルであったりする。

「職業」というのは、その人が才能を一番発揮できる仕事の種類を神様が示すものだ。


「領主」「商人」「農民」「戦士」「剣士」「魔法使い」などがあげられる。


ちなみに「神官」の場合、それが見つかると否応なしに神殿に引っ張りこまれる。

何十年かに一度は「勇者」とか「聖女」も出るらしい。


この職業というのは、固有の仕事に必要あるいは有用なスキルが身に付きやすくなるものだ。

たとえば魔法使いだったら、火魔法、水魔法、風魔法とか複数の魔法を覚えることもできる。これはオールマイティ職業で、珍重される。


一方、スキルを与えられる場合もある。

この場合は「火魔法」「剣術」「刀鍛冶」などだ。


天賦の才の儀式でスキルを得た人は、一生「職業」は得られないと言われる。


スキルはそれに特化した才能だ。職業との違いは、職業がある人の場合に成長するスキルの限界は、職業のない人のスキルの半分と言われる。


「剣士」なら剣術スキルの強さの上限を5とすると「剣術」のスキルは10まで行けるということになる。


レベルは可視化できないので、そこは推測だが、経験的にそのことがだいたいわかっている。


つまり職業はジェネラリスト、スキルはスペシャリストということになる。ちなみに、魔法もスキルの一つと見られている。


そして、僕、アレンは孤児だ。

ちょっと離れた村の孤児院から、ここの街にやってきた。


孤児院は、12歳で出なければいけない。この世界、12歳が仮成人だからだ。

院長先生からのお餞別として銀貨10枚とナイフ一本を貰い、僕ら5人はここステンマルクの街の神殿にやってきた。特別に、神殿の隅っこで一晩寝かせてもらう。


当然、皆12歳だ。


今回、同じ孤児院の連中を見ると、僕以外はみんなそこそこのスキルなり職業を得た。


イネスは剣術スキル、ウィルは大当たりの魔法使いの職業を得ている。、エリカは治癒術士、オットーは商人の職業を得た。


この天賦の才の授与式は、青田買いの場でもある。

将来有望そうなスキルや職業を持つ者は、ただちに勧誘される。


とくに孤児であれば、住むところが保証されるので喜んでスカウトに応じる。

オットーはワイルド商会という商家にスカウトされ、そのまま出ていった。


ほかの3人はパーティを組んで冒険者になるようだ。

剣術、魔法使い、治癒術士とはとてもバランスがとれている。


小さいころから一緒だし、いいパーティになりそうだ。・


僕もメンバー参加の予定だったけど、こんなことになってしまった



☆彡☆彡☆彡


「俺」が気づいたとき、もう他の人たちはいなかった。

「アレン、気が付いたかね。」


神官のおじいさんが声を掛けてくれた。


(アレンって…あ、俺のことだ。とりあえず返事しよう。)


「はい、もう大丈夫です。ご迷惑をおかけしました。」

俺はなんとか無難に答える。



心の中の混乱は、最高潮に達していた。

いろいろな感情が頭の中を駆け巡っている。


神官は言う。


「きみの『ぬるぬる魔法』にはUのマークがついている。つまり、ユニークスキル。世界で君だけしか持っていないスキルだ。


どう使うかは、過去の記録がないのでわからない。ただ、ユニークスキルは大化けすることもあるようだから、精進しなさい。」


僕はうなずいて立ち上がり、外に出た。神官の言葉など耳に入っていなかった。


(たしかに、今日は人生が変わった日だ。俺は、前世を思い出したのだから、)



そう。僕、アレンは転生者だったのだ。

天賦の才の儀式のショックで前世を思い出した。



何にしても転生だ!もしかしたらチートだ!

俺、大河丈(たいが じょう)は地球という星の日本という国で暮らしていた25歳の会社員だった。



ゲームもラノベも大好きな、年齢イコール彼女いない歴の若者だった。ただし、ギャルゲーやエロゲでは彼女とかセフレとかもいたぞ、ゲームでは。


なお、ボーナスが出たとき、一度だけエッチなお姉さんにぬるぬるしてもらったことがある。俺は天国に行ったことがあるのだ。


仕事のほうは営業だけど、学生時代に簿記2級まで取ったぞ。 さすがに異世界では使えない資格だと思うが。


ゲームでは地道なレベリングも抵抗なく、むしろ得意だった・

また、マップはすべて埋めてから先に行くポリシーだ。宝箱があるかもしれないからね。


ある夜のことだった。

残業の帰りに大通りの脇をとぼとぼ歩いていたら、何か動くものが道路に見えた。


見ると、女の子ならぬ白い犬がうずくまっているようだった。


そこに大型トラックが突っ込んでくるのが見えた。


その白い犬が轢かれそうになっているのが見えたので、俺は思わず飛び込んで助けようとしたんだ。



すると、トラックが俺に「こんにちは」してきた。


そのまま俺の意識は消えた。

それだけだ。


前世の記憶を取り戻したし、日本語も思い出した。アレンとしてはこちらの言語で考えている。 


ちなみに犬と思ったものは、単なるスーパーのポリ袋だったから笑えない。


だって、暗かったし、ぱたぱた尻尾らしいものが動いていたから、犬に見えたんだよ。


単純に取っ手の部分が風に煽られていただけだったんだが。


その結果、俺はただトラックに轢かれてしまった。


そのまま転生してしまったようだが、今回覚醒するまではただのアレンだった。


転生したと言っても、神様のお告げもなければ、「世界を救え!」とかいうご託宣もない。ただアレンとして生きてきただけだ。


ただ、今になってみると、なぜ気づかなかったんだろう、と思うことしきりだ、。



まあ、死んでしまったものは仕方ない。それに、アレンとして生きてきたんだから、これからもこの世界ではアレンだ。異世界人、大河丈の知識を使えるアレンでいい。


あるいは、アレンの皮をかぶった丈かもしれない。

あ、西洋人の体形だから、皮はかぶってないぞ。


え?切り替えが早いって?


そりゃあそうだ。

どうせ死んだからには戻れない。前の世界は、どっちにしても僕(アレン)ではなく俺、大河丈にとって生きやすい場所ではなかったからね。


両親は俺が大学入学の時に大型トラックに跳ねられて死んだ。

親子二代でトラックにドーンだよ。


(これが本当の親子ドーンかよ!)

我ながらつまらん駄洒落だ。



日本の家は借家だったし、生命保険にも入ってなかった。ただし借金はあった。

だからたいした遺産もなかった。


少しの蓄えは大学四年間で使い果たしたよ。


もしこれを読んでいるお前が健康な親なら、保険に入っとけよ。病気になったら保険には入れないからな。もちろん、死んでからも入れない。家族が大切なら保険は保険だと思って入っとけ。(何だかよくわからないがそういうことだ。)


まあ、それはさておき。

俺は学生時代からラノベが好きだった。


特に、剣と魔法のファンタジーが。



なぜかって?それは男のロマンだからさ。


特に魔法。


「魔法はイメージだ」ってよく言われている。

それを試す、いや実践するときが来たんだ。


これはテンションが上がる。


イメージの世界は青天井。


しかも俺の魔法はユニークなスキル。誰も知らないんだから、固定観念にとらわれることもない。


Sky's the limit. 可能性は無限。青天井だ。王天上?そんなのは知らん。野球好きで王天井を知らなければググってみろよ。


大した意味無いんだが。

まあいい。


こうして俺はこれからアレンとして生きていく。


俺は前世の記憶を取り戻しただけで、アレンが大河丈に憑依されたのではない、たぶん。


なぜなら俺=僕=アレン=大河丈と心の中で問題なく認識できるからだ。


これからは基本、丈の考えでやっていこう。俺の人生やり直しだ!ヒャッハー!


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作者です。構想数年?の新作す。

全年齢版を目指しております。楽しんでいただければ幸いです。


なかなか★が増えないので、よろしければ★と💛の応援を賜れれば幸甚です。

よろしくお願いいたします。






 

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