待って先生! あとちょっとだから!

律: 「(『HANABI』も、佳境に入ったな。残り時間は、あとわずかだ。)」


奏: 「(最後のサビだ! みんなで、最高の一瞬を作りたい!)」


(演奏が最高潮に達したその時、背後から鋭い声が響く)


教師の声: 「おーい! 何やってるんだ、君たちーっ! そこで勝手に演奏するんじゃないーっ!」


律: 「(まずい。教師に見つかったか。予測はしていたが、タイミングが悪いな。)」


奏: 「え! 先生!? やばい!」


響: 「ひぃぃぃ! 見つかっちゃったぁ!」


詩織: 「まぁ! 先生方がいらっしゃいますわ!」


律: 「(このままでは、演奏を中断させられる。最後のクライマックスを、完遂させる必要がある。)」


律: 「星野さん! そのまま、最後まで歌い切って!」


奏: 「わかった!」


教師の声: 「こらー! 早く楽器を止めなさい!」


奏: 「待って先生! あとちょっとだからーっ!」


(奏は、先生の制止を振り切るように、さらに力強く歌い続ける。律も詩織も響も、顔は引きつりながらも、必死に演奏を続ける)


律: 「(これが、ゲリラライブだ。予測不能な状況を乗り越え、自分たちの音楽を届ける。)」


律: 「(最高に、非合理的で、でも、最高の瞬間だ。)」


(曲のラスト、全員が渾身の力を込めて最後の音を鳴らす)


奏: 「ありがとーーーーーっ!!!!」


教師の声: 「こらーっ! 待ちなさい、君たちーっ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る