理《り》に触れる翼竜《スカイドラゴン》を墜とす槍《スピア》――①


『――あの大地、空に浮かぶ深淵しんえんの大陸をめっさなければ、【幻獣アビシアン】は湧き続けるんだ。分かってくれるな、リョウガ。――すまない』




「止めたって止まらない。父さん、ボクも行くよ。【オブレーガの大地】へ」




「――――父さんッ! 人だ――生きている人間がいる!!」




『【幻獣アビシアン】――では、なさそうだ……。――君の、名前は?』


「モニカ……」




「――――嘘。じゃあ、本当に、あの時ディーナは、……――もう死んでいた……?」




「――――父さんッッ!!」





『いいか、リョウガ、焦るなよ。どうして【勇者ディーナ】がそのような道を辿たどったのか、そのことをよく考えながら……日常を大切に過ごし、一歩ずつ、一歩ずつ……この大地を目指すんだ。――焦るな。お前たち二人なら、きっと、できる――――』





 …………――。

 ……。



兄貴アニキ~、朝だぜー」


 ――朝日が目にみる。


 心地良くモニカの声が耳に届いて、夢に手を引かれていた意識も覚めた。


 ベッドに膝立ひざだちして、朝日を隠していたカーテンを全開にしたモニカは、腰の羽をピョコピョコ動かしてボクを見降ろしている。


「おはよう、兄貴アニキ


「おはようモニカ」


「へへ。今日は私が朝食当番だから、もうゴキゲンな朝食が用意されてるぜー」


「ありがとう。楽しみだな」


「へへへ」


 羽をピョコピョコ動かすモニカに釣られて、ボクも嬉しくなってきた。


 さあ、今日も一日が始まる。


 良い一日の始まり方に、今日という日にも、い予感をいだけた。



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