【資料201:極秘カウンセリング記録(音声の断片・提供者X)】
(※『ヒマワリ』計画のスコア上位者向けに実施された、メンタルケアプログラムの漏洩データと推測される)
カウンセラー: 最近、何か気になることはありますか? システムは、あなたの生活を快適にしていますか?
対象者: (若い女性の声)はい、とても。欲しいものは、検索する前にオススメに出てきますし、仕事のキャリアプランも、システムが最適な道を提示してくれます。間違いが、ありませんから……。
カウンセラー: それは素晴らしい。
対象者: でも……時々、怖くなるんです。先日、ランチを決めるとき、システムはA定食(栄養バランス・効率性でスコア最高)を推奨しました。でも、私は……どうしても、B定食が食べたかったんです。理由はないんです、ただ、食べたかった。
カウンセラー: それで、どうしたのですか?
対象者: 結局、A定食を選びました。Bを選ぶのが、怖くて。みんながAを選ぶのに、自分だけ違うことをするのが、まるで罪を犯しているような気がして……。先生、この「食べたい」という気持ちは、私のエラーなんでしょうか? システムから逸脱してしまう、バグなんでしょうか……?
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