好きな人を好きになる(会話ver

ロキ-M

出会い

―階段の踊り場―


バタバタバタバタ・・・ドンっ!


「いつつ・・痛っ・・・あ!ご、ごめんなさい!怪我はないですか?」


「だ・・大丈夫。」


「大丈夫なら良かったです、前を見ずに走ってた私が悪いから。本当にごめんなさい。」


「そっちは大丈夫?立てる?」


「大丈夫です、1人で立てます」


パサッ


「もう少し位置がズレていたら、あなたを階段から落転げ落とす所でしたね。」


「確かに危なかった。けど怪我が無くて良かった。」


「お気遣いありがとうございます。これからは気をつけるので・・ごめんなさい、失礼します。」


タンタンタンタンタン・・・



―翌日/放課後、ヒロインの教室―


「授業終わったし、やっと帰れるね。」


「本当に。けど朝から顔色悪くない?大丈夫?」


「大丈夫かって?そんなに変な顔になってる?うん・・別に。いつも通りだよ。」


「なら良いけどって、あんた呼ばれてない?」


「え、私が呼ばれてる?本当だ・・私を呼び出すなんて誰だろ。じゃまた明日ね。」


ガラガラガラ・・



「えっと・・・あ、貴方は昨日の!本当にごめんなさい。」


「気にしないで、文句言いに来た訳じゃないから。」


「怒ってる訳じゃないんですか?」


「はいこれ。」


「これ、私の生徒手帳・・何であなたが?」


「昨日ぶつかった所に落ちてたよ。」


「そうだったんですね、全く気づかなくて・・わざわざありがとうございます。」


「悪いと思ったけど、届ける為に勝手に中を見たから・・ごめん。」


「良いです、謝らないで下さい。反対の立場なら私も中を見て渡しに来たと思いますし。」


「なら良いけど・・」


「昨日からあなたに迷惑かけてばかりですね。何か・・お詫びというか、お礼が出来ませんか?」


「お礼?」


「私に出来る事なら何でも・・ハグ・・位・・なら・・こんなスタイルでよければ・・」


「本気?」


「本気ですよ!?それ位で・・許して貰える・・なら・・」


「じゃ・・俺と友達になってくれないか?」


「私と友達になりたい・・ですか?」


「君みたいな可愛い娘にお近付きになれる機会、そうそうないから。」


「か・・可愛いだなんて・・嬉しいけど・・ごめんなさい、今は・・ちょっと・・」


「ごめん、下心感じた?」


「え?あ!!違うんです、そういう意味じゃないんです。ぶつかったのも何かの縁ですし、あなたがそれで許してくれるならお友達になりましょう!」


「ありがとう。無理強いはしないけど・・良いの?」


「別に無理してませんよ、あなたの見た目や言動は嫌じゃないですし。てか、そんな嬉しそうな顔をされたら・・私の方が恥ずかしいです。あ、良かったらお名前を・・」


「·····」


「いいお名前ですね。私の名前は・・知ってますよね。クラスが隣なら顔を合わす機会も多いかも知れませんね。」


「会えば挨拶位するから。」


「もうお友達なんですし、何時でも気軽に話しかけて下さいね。」


「なら・・迷惑ついでに連絡先聞いていい?」


「連絡先?良いですよ、じゃ交換しましょうね。」


「アドレス帳に家族とバイト先の名前が・・」


「私も色々な人と話はするけど、親しい人が少ないので。正直・・胸がドキドキしてます。」


「・・・」


「あ!今、エッチな事を考えたでしょ!目線感じましたよ?」


「え!?ごめっ」


「顔に出てますよって・・ごめんなさい、からかい過ぎましたね。こうしてお友達として話をするの、凄く変な感じです・・昨日・・色々あったから余計に。」


「ごめん、触れて欲しくない部分に触れた?」


「気にしないで下さい、私の事なのであなたは全く悪くないですから。」


「そう・・」


「あなたと話をしていて、少し元気になれました。色々とありがとうございます。」


「なら良かった。じゃ、メッセージは後でさせて貰うから。」


「うん、メッセージなら何時でもどうぞ。電話は・・もう少し仲良くなってからにさせて下さいね。」


「それは全然。けど、我儘聞いてくれてありがとう。」


「いいえ、わざわざ届けてくれてありがとうございました。また明日、顔を見たら挨拶するからよろしくね。それじゃ失礼します。」

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