第五話 不条理刑事の復活①
1
中村はひとまず日本へ戻った。その足で
中村が秘密事務所に戻ると、待ち
「あれ、皆さんお
中村は事態が飲み込めず
「
「これは一体、何の
乱暴に取り押さえられた中村は、横山を
「しらばっくれるなよ! よくも
横山は仁王立ちで中村を
「中村君、君は役者だねぇ。私はすっかり信じていたのにな。
*
中村は
厚さ二十センチもある鋼鉄製のドアは、その重さから三人掛かりでないと開閉ができない。
まさに究極の密室と言っても
冷たい床に横たわった中村は思考を巡らせた。まさか署長までもが一枚
この事件の真相は一体何なのか。全てを解く
【私にはもう時間がありません。
中村は手紙の文面を回想していた。
2
彼女の
それだけではない。彼女の
陽子は、その美貌にぴったりの美しいソプラノの声で受付の男に言った。
「捜査一課の
「は、はっ!
受付のメガネザルのような職員は顔を紅潮させ、直立不動で敬礼した。
生首事件が
「私に来客? アポは取りついでないぞ」
「警部、絶世の美女ですよ! こっちが聞きたいぐらいです。一体誰なんですか?」
*
「お久しぶりですわ、横山警部」
持田陽子は引き込まれるような笑顔で言った。
「あ、あの、失礼ですが、どちらさまで?」
横山は陽子の美貌に圧倒されながらも、必死に彼女を思い出そうとした。だが一切記憶になかった。これほどの美女に過去に会ったとして、覚えていないというのはどういう事だろう? 横山は混乱した。
「私、聞きたい事があるんです。ここではちょっと話しづらいので、お食事でも御一緒して頂けますか?」
陽子は
「今日はこれで早退するぞ! あとは頼んだ」
横山はニヤけた顔を必死に
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます