第二話 不条理刑事の出動②
3
モスクワホテルは
「ひょっとして、中村さんですか?」
フロントの無表情な男が、
「いかにもそうだが」
中村はたどたどしい北京語で答えた。
フロントの男は
「
「……そうかい。教えてくれ」
フロントの男は引き出しからメモを取り出して読み上げた。
「あんたと仕事するのはゴメンだ。死んだ方がマシ。
フロントの男は無表情で押し
「森脇め。
中村は一言
*
静まりかえった夜の町で
なぜなら中村にとって、署長は声だけの存在だったからだ。どこの誰でどんな人物なのか、
中村は頭を
4
「き、君が
横山はのけ
「名刺が無くて申し訳ない。
「今日は一体何の用件かな? 私はもう、例の事件を
「その事件、いわゆる
中村はやや疲れた顔をして言った。
「どういう事かな?
横山はタバコに火をつけて、煙を歯の
「ちょっとした不都合がありましてね。データを受け取った連中が
中村は話し終えると、
「わかりました、お話ししよう。ただし条件がある」
「何ですか?」
「私にも協力させて頂きたい。この生首事件は刑事生活で唯一解決できなかった事件だ。この
横山は苦虫を噛み潰したような表情でタバコをもみ消した。
「退職なさると?」
「肩を叩かれたんでね」
横山はムスッとした表情で、再びタバコを手にした。
「わかりました。協力してもらいましょう。二人の方がこちらも心強い。ただしこちらからも条件がありますよ」
「何かな?」
「こちらのやり方にとやかく言わない事です。余計な
中村は
「わかった……。君のやり方に口出ししないと約束しよう」
横山は
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