第24話マリオブラザーズ

 私が小学生の頃、任天堂から初代ファミコンが出た。

 これは衝撃的なゲーム機だった。

 カセットを取り替えるだけでいろんなゲームができる。

 今のゲーム機の基礎を作ったゲーム機である。

 たぶん、一番最初に買ったのがこの「マリオブラザーズ」である。

 これ、ご存じ、マリオとルイージが配管工として地下道で働いている時に、カメやカニといった、モンスターが二人を邪魔する。

 モンスターにマリオたちが当たってしまうと死んでしまう。

 地下道の床を下から叩くとくねっと曲がって、その上を歩いているモンスターをひっくり返すことができる。

 そのひっくり返したモンスターを蹴っ飛ばすと、そのモンスターが画面から消える。

 しかし、モンスターをひっくり返したまましばらく置いておくと、モンスターが復活してしまう。

 モンスター、復活するたびに走る速度が速くなる。一番足が速いのはカニであった。

 そうしてモンスターを全て画面から消すとステージクリア。

 どんどんゲームが難しくなっていく。

 とある夏の日、親友と二人でこの「マリオブラザーズ」を私の家でやっていた。 

 やっていたのは「殺し合いバトル」。

 これ、相手をわざとモンスターにぶつけ、生き残ったほうが勝ちというデスゲームである。

 我々は一番足が速いカニを最初何回もひっくり返しては復活させる。

 そうすることでカニたちが超スピードになる。

 その猛スピードのモンスターたちをいかに相手にぶつけるかが、勝負。

 ああ、過酷な勝負であった。


 これ、親友は圧倒的に強かった。

 この親友、なぜかゲーム的な遊びになると無敵であった。

 そして親友は決して手加減というものをしない。真の勝負師であった。

 この日も、親友にコテンパンにされ、打ちのめされた私。

 

 最後に親友に私は一言言った。

 「○○君、マリオブラジャーズまたやろうね」と私が言うと親友は

「ポンポコ君、やらし~な~」とうふふと笑った。

 親友、私のつまらないネタにあくまで寛容であった。

 

 

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