「ねえ、起きてる?」

「ああ、起きてるよ」


「あれから、どれくらいの時間が経ったかしら」

「さあ、どれくらいだろうね。何年、何ヶ月。もしかしたら、たった数分の出来事かもしれないね」


「退屈?」

「退屈だって? きみは退屈なのかい?」


「いいえ。ちっとも」

「僕もそうさ」


「なんだかずるいわ」

「なぜ?」


「なぜ? なぜって、なぜかしら」

「分からない?」


「わからないわ。けど、なんだかわたしばっかり答えている気がするの」

「同じところに居続ける世界なんてありはしない、ということさ」


「よく分からないわ」


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