第9話「戦う以外の仕事」

「バズった!」


 私達が事務所でお茶を飲んでるとカエリ社長が興奮していた。


「前回のコラボ配信が上手くバズったし、しかも我が社にガイアちゃんが来てくれたから2倍の収益が出たよ!」


「え、つまりお金が沢山、手に入るのか? 良かった〜ウチの財布が温まる」


 ナナさんが安心しきっていると、カエリ社長が次の提案をした。


「こう言うのもアレだが、弱いモンスターは他の魔法少女達に任せて、ワタシ達は四天王を倒そう。魔恋皇帝ネロスだっけ? 現在、四天王のカギリから事情を聞いてる最中だが、他の四天王はカギリのような積極的な態度ではないらしい。ステラとガイアの二人が残りの3体を倒したとあれば、モンスター達の戦意も削げるだろう」


「その事だけどカエリ社長、カギリが言ってた聖女って見つかりそう?」


「ぬぅ、それに関しては分からん。モンスターがしらみ潰しに聖女を探してるからな。政府としては、最終手段として魔法少女達が倒したモンスター達と引き換えに誘拐された人間の女の子を全員解放する手段はあるが、問題なのがモンスター側が応じてくれるかなんだよね」


「やっぱり平和的に解決できないか〜」


 私ががっくりしてると、レイサちゃんが提案してきた。


「弱いモンスターは他の魔法少女に任せて私達は大物を狙うなら、まずは情報だよな。今のところ残りの四天王が動かない以上は、相手が動くまで待つしかないか」


「レイサくんの言う通りだ。相手が動いてくれないと作戦すら立案できない……と、言うわけでステラちゃんとガイアちゃんには戦う以外の魔法少女活動をして貰おうか」


「?」


❤︎


「わぁ、本当に魔法少女ステラちゃんとガイアちゃんだ!」


 私達はわざわざ魔法少女に変身してまで、近くの幼稚園にまで来ていた。


 戦うだけが魔法少女の仕事ではない、こうしたボランティア活動や地域の人々と交流するのも一つなんだ。


「ガイアちゃんって、ちっちゃいね、本当に重機持てるの?」


「うん、持てるけどみんなが危ないからウチはやらないよ〜」


 ガイアちゃんは子供に慣れてるな。今はレイサちゃんと二人で合体してるとは言え、戦闘以外で変身するの恥ずかしいな。


「ステラちゃーん、すてらぶれーどやってー」


「わたしは、すてらぶらすたーが見たいよー」


 子供達に私達の技名を言われて、ようやく分かったことがある。


 技名を他人に言われるの嫌だなぁ!


 

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