第2話「魔法少女プロデュース」
私は、工藤 ミチカ。普段は普通の女子高生だけど、親友の沢渡 レイサちゃんと一つになると流星系魔法少女ステラに変身できるのは周囲に隠してる。
いや、魔法少女に変身できるのが恥ずかしいじゃなくて、女の子と一つになって一人の魔法少女になるのが恥ずかしい。
私だけ? 私だけなのか? なんかいやらしい事を考えてしまうのは?
「よぉ、待ってたぞミチカ」
「お待たせレイサちゃん」
沢渡 レイサ。黒髪ロングヘアの女の子で私と同い年らしいけど、学生ではないらしい。
普段は何をやってるのか知らないけど、今は同じ事務所で働いてる友達だよ。
それにしても、レイサちゃんって、目が死んでるんだよね。なんかこう、人生に疲れましたみたいな目をしてる。
「社長がなんか企画やるらしいぞ。あの人、一人で張り切りすぎだからな」
「社長さん、私達と出会ってからステラの宣伝してるよね。何か考えがあるのかな?」
❤︎
「あっははは!! よくぞ来たねミチカくんにレイサくん! ワタシの努力の甲斐があって、ついに夢の第一歩を踏み出せたよ!」
事務所に入ると、魔法少女プロデュース事務所の社長の『
カエリさんは、今年で21歳になる若手女社長さんだ。常にメガネとスーツ姿を着こなしてる大人の女性なんだけど、若い私達よりも
事務所なのに所長ではなく社長を名乗ってるのは、いずれこの事務所を巨大な会社に成長させたいと言う願望があるかららしい。
「カエリさん、コラボするのですか? 他の魔法少女と?」
「うむ! 他の大手魔法少女会社は宣伝用の魔法少女一人を雇ってるからな。ワタシの事務所にはステラが居るとは言え、まだ二人で一人に変身できる魔法少女なのは隠してる。これはサプライズだよ!」
カエリ社長の宣言に対して、レイサちゃんがめんどくさそうな溜め息を吐いていた。
「人間どもは緊張感無いよな。モンスターのせいで女の子が減ってるって言うのに、前線で戦ってる魔法少女達を商売道具にしてるのかよ」
「仕方ないじゃないかレイサくん、もう何年も家族に会えてない遺族の人達にとっては、お金を払ってでも魔法少女を応援したいものなのだよ。そこに目を付けてビジネスにしてる連中を一網打尽にして、この世界から魔法少女ビジネスを独り占めして、魔法少女ビジネスそのものを無くすのが、ワタシの目的だからね」
「あぁ、社長も被害者の一人だったな。社長から見て、モンスターに誘拐された妹が心配か?」
「まぁね、ワタシは魔法少女になれなかったからね。だから、君達に妹を救ってほしいのと、ビジネスに利用されてる魔法少女も助けて欲しい。だから今回のコラボ企画を勝ち取る事ができたんだよ」
「で? コラボ相手は誰なの?」
「ワイルド系魔法少女ガイアちゃん。パワフルで力持ちな元気っ子なのが宣伝文句だけど、一つ問題がある……1週間も自宅から出てないらしい。ガイアちゃんを雇ってる企業も心配してるらしいから、君達でガイアちゃんに会って来てくれない?」
社長からの提案で、私とレイサちゃんはガイアちゃんに会いに行く事になった。
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