第12話「エルフ萌えの聖剣」

「で、その聖剣売れないの?」


 と、私は聖剣と対話をしてるサラに聞いた。


「無理だね。聖剣はレミアちゃんを新たな主人として認めてるみたい」


「うーん、じゃあ何が決め手だったのか聖剣に聞いてくれ、今後その聖剣を売る時が来たら役に立つかもしれん」


⬛︎


「聖剣様、どうしてレミアちゃんを選んだの?」


 私は優しく問い掛けると、聖剣様は答えてくれた。


『ボク、エルフ萌え』


「エルフ萌えとは何ですか?』


『わぁお、エルフ萌え知らない純真無垢な少女でしたか。ボクは聖剣に宿る精霊だけど、ボクのかつての持ち主がエルフの女王だったんだよね。それにレミアちゃんは前の所有者に似てるから認めただけ。正直ネルソン家の人達は酷いよねー。別のエルフの奴隷を使ってボクをあんな所に長年放置してたから。だからレミアちゃん達が来た時は運命を感じたよ』


「えーと、つまりエルフなら誰でも良いの?」


『いや、エルフの女の子限定。エルフの男とか傲慢すぎるから嫌い。でも女の子であっても傲慢な子は嫌いかな。自分自身に素直な心の持ち主ならボクは好きかな』


「気になってたのですが、アナタは男の子ですか? ボクとか言ってるし」


『え? 普通に女の子ですが何か?』


⬛︎


「と、言う訳です。聖剣はエルフの女の子が大好きな女の子の精霊でした」


「……なんじゃそりゃ!? 素直な心の持ち主? ワタシが? 怪盗団の一員のこのワタシが? ……恥ずかしい」


 レミアちゃんが落ち込んでる。よし、ここはリミカの出番!


「リミカ、この真実を知った上でレミアちゃんに一言!」


「なんで急に私に振るの!? あーその、女の子の聖剣が仲間になって良かったなレミア」


「良くないわ! 百合百合して良いのはリミカとサラだけで良いわ! 何が悲しくて女の子の聖剣と百合百合しなきゃダメなんだよ! ワタシは百合じゃなくて普通の恋愛がしたいんだよ!」


「あ、レミアちゃん、聖剣様から一言『その素直な心大好き!』だそうです」


「嫌だー!」


 こうしてまた仲間(?)が増えたのであった。

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