第5話「アトランティスの涙」
「えーと次はハラサカ家の財宝『アトランティスの涙』だ。この財宝はかつて存在した都市の宝石で、今から3000年前に海に沈んだ都市であり、アトランティスの涙もハラサカ家しか持ってない貴重品だ」
と、私が次の獲物の説明をしてると、サラが私に笑顔を向けていた。
「なに?」
「んー? リミカ可愛いなーと思ってただけ」
「あのなぁ、アトランティスの涙は厄介なんだよ。ハラサカ家には人間ではなく海のモンスターがウヨウヨしてるんだ。そいつらに見つからないようにレミアとディンが頑張ってんだ。人間の護衛なら良かったが、海のモンスターには変装が通じないからな」
「うーん、もしかしてだけど、モンスターも殺しちゃダメなんだよね?」
「まぁね。人間に飼われてるとは言え、モンスター達も好きで財宝を守ってるわけじゃないからな」
「なるほど、リミカって優しすぎるね。そんな優しい子が、どうして怪盗やってるの?」
「ハッ、お姫様には分からないよな」
私達が話し込んでたら、レミアとディンが戻って来た。
「リミカ、まず下級モンスターなら上手く回避するルートが見つかった。しかしアトランティスの涙を守護してるモンスターだが、残念だがワタシ達じゃ倒せない相手だ」
「どんなモンスターだ?」
「リヴァイアサン」
「海に住むドラゴンの中でも最強種だな。私のコードブレイクで弱体化させても無理だな」
「その割には冷静だな」
「ん、まぁ少しは戦闘になるとは思うが、別にリヴァイアサンを倒す必要性はないだろ? お宝盗んで退散。私達クラウンバレットは勝てない戦闘はしないからな」
私とレミアが話していると、サラが間に入って来た。
「じゃあさ、リミカのコードブレイクと私の第三階梯の魔術でリヴァイアサンを一時的に動けなくする事はできないかな? その間にレミアとディンが財宝を盗めばいいし」
「ふーむ、リヴァイアサン相手にどこまでやれるか分からんが、まぁ試してみるか」
「ふふ、リミカとの共同作業かぁ、なんだか恋人みたいだね」
「はーい頭の中ピンクなお姫様の発言を禁止しまーす。んじゃ、今夜ハラサカ家の屋敷に乗り込むぞ」
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