11 ステーク⑦ 屋上にて
ぼくは屋上の四角い
「あら? お早いお帰りですね。塔の中で、何か不都合でもございましたか?」
息を切らして戻って来たぼくに、心配そうに係員が声をかけた。
シャルはぼくの肩から係員の胸元に飛び移って、急いで用件を
「人命に係わる事態だから、急いで旅行の責任者につないで!」
シャルのスマートウォッチが光り、目の前に【旅行事業部に接続中……】と表示された画面が
「ステークにご訪問のお客様ですね? 一体どうされましたか?」
シャルは落ち着いた口調でこれまでの
「お話は
「旅客機の乗客だけ助けて、塔の住人たちは見殺しにするの? そんなことをしたら、あなたの会社の評判はどうなるのかしら? わたしが心配するようなことじゃないけれど」
シャルは
「……五秒、お待ちください」
画面に映ったおじさんの映像が
次の瞬間、時が止まったように振動が
再び目の前に、おじさんの映像が映し出された。
「当社は人道的
残りの
画面に映ったおじさんは、
ウスバカゲロウをモチーフにした旅客機はステークの塔をつかんだまま、ゆらゆらと動き出した。ぼくとシャルはゆっくりと塔の
「図書館で出会った女の子。次は塔の外に出て、転げ回って遊べたらいいね」
ぼくは柵の
「フフフ。塔の中を観光する時間はまだたくさんあるわ。ユー、わたしと一緒にいろんな階を探検してみない?」
シャルは好奇心たっぷりな
「おい、ネコさんと少年。ワシもお
柵の
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます