二十一刀目 使い魔
「先生」
「どうしましたか?」
俺は昨日の使い魔の話を聞いてみようと先生に話しかける。
「中学生になったら使い魔を召喚できるって話を聞いたんですけど……」
「はい、そうですね。やりたいですか?」
「はい」
「だったら、少し待っていてください」
そういうと、先生はどっかに行ってしまった。
少しして、先生が戻ってくる。
「今日やれることになったので、あと少ししたら体育館行きますよ」
……体育館でやるんだ。
全員が整列して、体育館へ向かう。
すると、全校生徒が集まっていた。
あとから聞いた話だけど、召喚するとき、しっかり先生が見守ってないと困るから、色々と面倒で全員一度に召喚するらしい。
壱組はみんな一列に並ぶ。
朔太郎は白い蛇が召喚された。
個人魔法が毒だからか。
音也はコウモリだ。
これももた個人魔法が関係してるんじゃないかと思う。
矢太郎の使い魔は小鳥。
夏之介は使い魔はいないけど、自分の魔法で、火でできた鳥を作っていた。
皇さん(千景)はもぐら。
皇さん(千鶴)はマザーグースだった。
みんな可愛かったりかっこよかったり……。
俺の番が回ってきた。
すると、弐組の先生がやってきた。
「コイツ、この地球出身じゃないんだろ?大丈夫なのかよ。問題とか起きたり……」
「まあ大丈夫でしょ」
「……あ、そう」
俺は魔法陣ぽいなにかの上に立つ。
「じゃあ一度手を打ってみてください」
手をパチンと打つと、ぽんっと音がして、ハムスターが現れた。
……可愛いけど、なんでハムスター?
……可愛いけど。
手で持っていると、ハムスターのほうから声が聞こえた。
「おい、離せ」
……ハムスターが喋った……!?
すると、先生がつぶやく。
「あれ、歴之助、どこ行ったんだろ……」
え?
ハムスター、喋った。
先生、消えた。
一緒に。
要するに、この使い魔ハムスター……。
「歴之助、先生……?」
ハムスターは少し動揺して言った。
「……違う」
「歴之助先生ですね?」
「……違う……」
歴之助先生だ……!
どうしよう。
え、絶対嫌だよね。
今から変えてあげるとか……。
「朝倉先生、使い魔を変えることって、できたりしますか……?」
「前例は無いと思いますが。なぜですか?」
俺は、手の上で眉を顰めている先生を見せる。
「歴之助先生なんです、この使い魔」
朝倉先生が少し固まって、おずおずと手を差し伸べてきた。
「ください」
「どうぞ」
歴之助先生を差し出すと、朝倉先生は歴之助先生を愛で始めた。
「どうやったら治るのかは分かりませんし、治さなくて良いような気もしますけど、使い魔から解放する方法は図書館で調べてみるのがいいかもしれませんね」
朝倉先生は、そう言って歴之助先生を連れて行ってしまった。
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