『最底辺配信者だった俺が、視聴者のスパチャとツッコミだけで最強になった件 ~チートも才能もない俺が、コメント欄の神々に導かれて異世界ランキング1位を取ったんだが~』
風白春音
プロローグ
――現在視聴者数、3人。
……しかもそのうちの一人は、たぶん俺の母親だ。
母親なのに、毎回なぜか必ず視聴して、アンチコメントを送ってきやがる。
「……よし。今日も死なないように、頑張ります」
映像に映るのは、ボロ布みたいな革鎧と、柄の曲がった錆びた剣。
ここは冒険者用ダンジョン《屑鉄の迷路(スクラップ・ラビリンス)》の第1層。
雑魚敵しか出ず、多くの配信者から“廃棄物”のように扱われる、
最底辺中の最底辺ダンジョンだ。
だが、それでも俺にとっては命がけだ。
少しでも稼がなきゃ、生きていけない。
この世界で冒険者は戦士じゃない――配信者だ。
強い魔物を倒し、珍しいアイテムを拾い、危険な罠をギリギリで回避しながら、
そのすべてをライブ中継する。
視聴者の反応と、スパチャがすべてを決める時代。
だが俺には、スキルも特技もない。
コメント欄は今日も静まり返っている。
「……行くか」
ゴブリン一匹すら倒せない。
剣を振る。空振る。反撃を喰らう。
HPは既に半分以下だ。
最底辺モンスターのはずのゴブリンに、まるで遊ばれているようだった。
そして、3人しかいない視聴者のコメントがチャット欄に並ぶ。
【いるんだなここまで才能ない奴】
【逆に元気出たわ(笑)】
【マジで配信やめろよ。リソースの無駄すぎwww】
いつものアンチが湧いてきた。
たった3人の視聴者すら、味方ではない。
「……やっぱ無理だよ、こんなの……」
そのときだった。
──コメント欄が、動いた。
【名無しさん:剣を捨てろ。今すぐ左の壁を叩け】
「……え?」
【名無しさん:言われた通りにしろ。宝箱がある。】
なんでそんなことが分かる?
アンチじゃないのか?
だが俺は、なんとなくその言葉に従った。
壁を叩くと、隠し通路が開いた。
そこには、黄金色に輝く大きな宝箱が鎮座していた。
【名無しさん:その宝箱を開けろ。伝説の武器が入ってる】
言われるがまま、恐る恐る蓋を開ける。
中にあったのは――
光り輝く一本の魔剣。
《応声剣(ヴォカリス・エンゲージ)》
「……は?」
俺がその剣を手にした瞬間、
視聴者数が――一気に300に跳ね上がった。
コメントとスパチャが飛び交う。
初めての出来事に、俺は戸惑うしかなかった。
なにせ俺は、ただ言われた通りに動いただけなのに。
たった一つのコメントで、世界が変わった。
「……これが、配信者なのか」
──最底辺配信者の俺は今、配信界の頂点への一歩を踏み出した。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
この作品は、
「配信でスパチャを稼ぎながら冒険する異世界ファンタジー」
という、ちょっと変わったバトル&成り上がり系です!
才能ゼロ・視聴者3人という底辺から始まる主人公ラグノスが、
コメント欄の“神”に導かれて、
やがて配信ランキング1位へと駆け上がっていきます。
今後の展開では、
✅ 視聴者コメントと連動する魔剣
✅ 正体不明の美少女視聴者「セレ」
✅ そして主人公の弟・天才配信者との対決
など、成り上がり×バズ要素満載で進んでいきます!
もし「面白そうかも」と感じていただけたら、
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それでは、次回もよろしくお願いします!
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