第7話 まさかの開店休業状態。

「何だか、スンッって感じてすね。誰もきません。ところで、ルイス、アカデミーはサボったのですか?アカデミーは義務教育的な場所だと聞いたのですが。ちなみに全て強力なサポータールイ王子がやってくださったので、あなたは今日ここにいる意味はありませんよ。あなたとマッチングしたいという方が現れたら連絡しますので、アカデミーに戻ってください」


1週間後に結婚相談所を開くことに成功した私とルイ王子。

しかし開店休業状態だった。

開店祝いに来たのか、自分がどれくらいモテるか確認したかったのか兄ルイスまで店に来ている。


「変なことに巻き込まれているルイが心配で来たんだよ。お前は、忙しい王族をこんな茶番に付き合わせて何様なんだよ」


また兄ルイスはイライラしだしていた、出入り口の方を気にしているから客が来なくて寂しさも感じているのかもしれない。


彼は次期国王という経済力と、ちょっとワルっぽいルックスでSランクのはずなのに、立ち居振る舞いですでにBランクまで落ちている。


「忙しいという割に、あなたはアカデミーをサボってますね。安心してください、これはあなたがモテなかったのではありません。流石に10歳と12歳の王子が登録会員だということで、ふざけていると取られてたのでしょう。もっと、結婚適齢期の登録会員をサクラとして用意すべきでした。この方法ではお金を儲けるのは難しそうです」


兄ルイスが出入り口をチラ見しているということは、自分のオスとしての力に自信を持っていた証拠だ。

別に彼にその力がないとはいえないが、流石に年齢も幼く身分が高すぎたせいで本気度が薄いととられたのだろう。


「イザベラ、落ち込まないでください。他にやりたいことがありますか? 僕がサポートします」


次期国王にならない永遠のサポータールイ王子はスペック的にはAランクだが、その性格の良さと溢れ出る育ちの良さでSSランクになっている。


「ルイ王子、やり方を間違っただけで私はこの事業をまだ諦めておりません。あきらめたらそこで試合終了なのです。形式を1対1のマッチングからパーティー形式に変更しようと思います」


そういえば、私は婚活パーティーにも行ったことがなかった。

行ってみようと思った頃には35歳を過ぎていて、参加しても嫌な思いをしそうだったので避けたのだ。


「マッチング目的の会費制のパーティーを企画するということですね。イザベラは社交ダンスは覚えていますか?」

途中までは私の意図を汲んでいた洞察力に優れたルイ王子だが、私がパーティーと言ったので舞踏会と間違えたようだ。

それにしても、隣でなんの意見も言わずむすっとしている兄ルイスに比べ、ルイ王子はなんと良い子なのだろうか。


「私は33歳過ぎたあたりから、社交ダンス、ベリーダンス、フラメンコ一通り習いました。シニアになったらフラダンスもやってみようかなと思ってた程の多機能ダンサーです」


私は30歳過ぎたあたりで、早々ローンでマンションを購入するとダンスの習い事をやりまくった。

その辺りになると同期も寿退社して、合コンに呼ばれること少なくなり暇な時間が増えたのだ。


「33歳って何だよ。お前10歳だろ。もう、こいつから離れた方が良いと思うぞ、ルイ⋯⋯」


やはり、兄ルイスはいらない子だ。

彼に私の前世を話しても、頭おかしいだの騒ぎたてて終了するだろう。


「兄上、イザベラが一番苦しんでいます。流石、イザベラですね、良いアイディアだと思います。では会費制の舞踏会を開催すれば良いのですね」


兄が私を非難したのを小声で注意した後、大袈裟なほどに私を褒めるルイ王子。

やはり彼も私の前世の話は信じていなくて、心を壊してしまった婚約者イザベラに寄り添っているということだろう。


「踊る必要はありません。お見合い回転寿司と言いますか、色々な人と話して最後誰がよかったかを発表して両思いの人達をカップルにするのです」


やはり、婚活パーティーの経験がないからよく仕組みがわからなかった。

ぼんやりと私が希望を伝えれば、最強サポータールイ王子が何とかしてくれるだろう。

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