秋編

第1章:秘めたる欲望、次の扉

第27話 『梨花の決意、渇望の解放』

 十月上旬。文化祭の喧騒が終わり、高校の校舎には、受験へと向かう張り詰めた空気が満ち始めていた。夏に経験した、女子たちとの「特別な関係」は、西山和樹の日常に深く溶け込んでいた。佐々木梓と小林遥との初体験は、彼の世界を大きく広げ、同時に、他の女子たちとの関係性にも、静かな変化をもたらしていた。


 その日の放課後、和樹は自習室で参考書を広げていた。バレー部を引退したとはいえ、受験は待ってくれない。集中して問題に取り組んでいると、隣の席に影が差し込んだ。顔を上げると、そこに立っていたのは高橋梨花だった。彼女はバレー部の練習を終えたばかりなのか、運動着姿で、ショートカットの髪が汗でわずかに額に張り付いている。

 「和樹くん、お疲れさま。今、少しだけ時間いいかな?」

 梨花の声は、普段の快活さに疲労が混じり、どこか切羽詰まった響きがあった。和樹は彼女の顔を見て、すぐに状況を察した。この夏、梨花とのマッサージは性的要素を含み、彼女の身体が快感に身をよじる様子も見てきた。彼女の瞳の奥には、疲労と、それ以上の、何かを求めるような光が宿っている。

 「ああ、大丈夫だよ。どこか、落ち着ける場所に行こうか?」

 和樹が提案すると、梨花は頷いた。

 「うん……私の家でいいかな?今日は誰もいないから、ゆっくりと」

 梨花の言葉は、明確な誘いだった。和樹は彼女の目を見て、頷いた。


 梨花の自宅に着くと、彼女はすぐにシャワーを浴びてきた。浴室から出てきた梨花は、和樹が用意したTシャツと短パンに着替えていた。彼女の髪は濡れていて、そこから石鹸と梨花自身の体臭が混じり合った、清潔で生命力に満ちた香りが漂ってくる。

 「すっきりした……和樹くん、ありがとう」

 梨花はそう言って、リビングのソファに腰を下ろした。その瞳は、和樹の奥底を探るように、真っ直ぐに注がれている。

 「和樹くん、座って。あの、今日はね……」

 梨花は、和樹の隣に身を寄せた。彼女の頬は、ほんのり赤く染まっている。

 「私、最近、受験のストレスがすごくって……。バレーも引退したのに、なんか、全身が鉛みたいに重いの。特に、肩と背中、あと……胸のあたりが、なんか張ってる気がして……」

 梨花はそう言って、自分の胸元に手をやった。和樹は彼女の言葉に、一瞬息を呑んだ。梨花からの直接の訴えは、以前にもあったが、今回はより切実だった。

 「私、和樹君にこうして身体に触れてもらうと、本当に心が落ち着くの。身体が全部、和樹君に預けられるような気がして……。それが、私にとって、一番のリラックスなの」

 梨花は和樹の腕にそっと触れ、潤んだ瞳で彼を見上げた。その視線は、和樹への深い信頼と、性的な期待が入り混じったものだった。

 「ねえ、和樹君……私、和樹君のこと、本当に信頼してる。だから……。もう、一歩先に進みたいの」

 梨花の言葉に、和樹の心臓が激しく跳ねた。彼女の言葉は、明確な「決意」を示していた。和樹は、彼女の真剣な眼差しに、抗うことはできなかった。

 「わかった。梨花が望むなら……俺は、梨花の身体も心も、全部受け止める」

 和樹が答えると、梨花の顔に安堵と、かすかな喜びの表情が広がった。


 和樹は深呼吸をし、緊張した手つきで、まず梨花の肩からマッサージを始めた。梨花はゆっくりとTシャツを脱ぎ、白いスポーツブラに包まれた、そのバストを和樹に見せた。梨花の身体は、鍛えられているだけあって引き締まっているが、バストはCカップとあって、スポーツブラの中でもしっかりと主張する丸みを帯びていた。和樹は、彼女の健康的な肌に、触れる喜びを感じていた。

 和樹は、乳房の基部からリンパの流れに沿って、優しく丁寧にメンテナンスマッサージを施した。スポーツブラのカップの上から、ゆっくりと円を描くように指を滑らせる。梨花の身体は、和樹の指の動きに合わせて、微かに身悶え、より深い吐息を漏らした。それは、快感の波が全身に広がっていく兆候だった。

 「はぁ……和樹君……そこ……すごく、気持ちいい……」

 梨花の声は、微かに震え、うっとりとした表情で、瞳は潤んでいた。彼女の頬は、ほんのりとピンク色に染まっている。

 次に、和樹は梨花の脚の付け根へと手を滑らせた。ショートパンツの裾から、鍛えられた太ももの肌が覗く。和樹が鼠径部のリンパ節を優しく刺激するマッサージを始めると、梨花の身体は大きく跳ね、甘い喘ぎ声を上げた。

 「あっ……ひぅっ……和樹君……そこは……!」

 梨花の言葉は、途切れ途切れで、理性を失いそうなくらい甘く響く。和樹の指先が、彼女の最も敏感な部分を探り当て、快感の波を次々と引き起こす。梨花の身体は、熱を帯びて、和樹の指に吸い付くように反応する。

 「和樹君……もっと……そこ……お願い……」

 梨花の声は、懇願するように和樹に迫った。彼女の肌から漂う、興奮した体臭が、部屋中に満ちているのを感じた。


 マッサージが進むにつれて、梨花は和樹の腕を掴み、その身体を和樹に預けるように身をよじった。

 「和樹君……私、和樹君のこと、本当に信頼してる。だから……全部、和樹君に任せたいの……。この身体も、心も……」

 梨花の言葉には、和樹への絶対的な信頼と、初体験への揺るぎない覚悟が込められていた。彼女の身体は、快感と期待で熱を帯び、和樹の指先に吸い付くように反応する。和樹は、彼女の真剣な眼差しに、抗うことはできなかった。リビングの静寂の中、二人の間の空気は、一層濃密になっていった。

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