第15話 『結衣の熱い願い、秘めたる開放』
八月上旬。うだるような暑さは変わらず、蝉時雨が降り注ぐ中、西山和樹の夏期講習も佳境に入っていた。来週には、志望校主催の受験強化合宿が控えている。合宿に向けて、生徒たちの間には期待と緊張、そして身体的な疲労が入り混じっていた。和樹の「マッサージ師」としての役割は、この時期、さらにその重要性を増していた。
その日、和樹が図書館で自習を終え、帰路につこうとすると、昇降口の近くで山本結衣が彼を待っていた。彼女はバスケット部で鍛えられた健康的な身体を持ち、普段は快活な笑顔を絶やさないが、その日の表情には、珍しく疲労の色が濃く出ていた。ポップな色使いのTシャツとショートパンツというラフな格好は、自宅から直接来たのだろうか。
「和樹くん、今、いいかな?合宿前に、どうしても和樹くんにマッサージしてほしくて……」
結衣の声は、少しだけ甘えを含んでいた。和樹は彼女の顔を見て、すぐに状況を察した。
「もちろんいいよ。バスケと受験勉強で、全身が悲鳴を上げてるんじゃないか?」
和樹が優しく声をかけると、結衣は大きく頷いた。
「うん……もう、肩も腰も、足もパンパンで……。合宿前に、和樹くんに全部ほぐしてもらわないと、集中できない気がする」
結衣の言葉には、和樹への深い信頼と、どこか切実な思いが込められていた。和樹は彼女の目を見て、頷いた。
「わかった。うちに来るか?ゆっくりできる」
結衣の顔が、パッと明るくなった。
「いいの!?やったー!ありがとう、和樹くん!」
彼女はまるで子供のように喜び、和樹の腕にそっと触れてきた。その指先から伝わる、わずかに汗ばんだ熱が、和樹の胸を高鳴らせた。
和樹の自宅に着くと、結衣はリビングのソファに腰を下ろした。彼女はスポーツドリンクを一気に飲み干すと、大きく息を吐いた。
「あー、生き返る!じゃあ、早速お願いしてもいいかな?今日は全身、特に足と腰をお願いしたいの!」
結衣はそう言って、着ていたTシャツの裾に手をかけた。
「もっと、楽になりたいから……これ、脱いでもいい?」
その言葉に、和樹は再び息を呑んだ。遥に続いて、結衣も自ら進んで薄着になることを提案してきた。和樹はゴクリと唾を飲み込み、頷いた。
「あ、ああ……無理はしなくていいからな」
結衣はゆっくりとTシャツを脱ぎ始めた。するりと頭を抜けると、鮮やかな水色のブラトップに包まれた彼女のバストが露わになった。ブラトップは彼女の健康的な身体にぴったりとフィットし、引き締まった腹部や、へそピアスの小さな輝きが和樹の視界に飛び込んできた。下は、同色のショート丈のボクサーショーツを履いており、その下にある、バスケで鍛えられた太ももが、和樹の視線を引きつけた。結衣の身体からは、スポーツウェア独特の素材の匂いと、彼女自身の活気に満ちた体臭が混じり合って漂ってくる。
和樹は深呼吸をし、緊張した手つきで、まず結衣の脚のマッサージから始めた。太ももからふくらはぎにかけて、和樹の指が優しく、しかし確実に筋肉の張りを捉えていく。彼女の脚は、鍛え抜かれているだけあって弾力があり、和樹の掌に吸い付くような感触だ。
「んんっ……そこ、気持ちいい……」
結衣の口から、甘い吐息が漏れた。和樹は、彼女の太ももの内側へと手を滑らせていく。柔らかく、しかし弾力のある肌の感触が、和樹の掌に吸い付くように伝わる。そして、鼠径部のリンパ節を丹念にマッサージし始めた。バスケで酷使される下半身のむくみや冷えを解消するためだ。
「あっ……ひぅっ……和樹くん……そこ……!」
鼠径部に触れた途端、結衣の身体が大きく跳ねた。彼女の口から、これまで聞いたことのない、甘く、そして抑えきれないような喘ぎ声が漏れる。それは、単なるリラクゼーションを超えた、直接的な快感の表現だった。和樹の指先は、鼠径部の柔らかな皮膚の下にあるリンパ節を優しく刺激し、彼女の身体の奥深くに、波のような快感を引き起こしているのが分かった。結衣の頬は真っ赤に染まり、瞳は潤んでいた。
「和樹くん……もっと……そこ……お願い……」
結衣の声は、理性を失いそうなくらい甘く、和樹の理性もまた、その声に揺さぶられた。彼女の身体が、快感に身をよじる。和樹は、彼女の肌から漂う、興奮した体臭が、部屋中に満ちているのを感じた。
次に、和樹は結衣の背中と腰のマッサージに移った。彼女はうつ伏せになり、ブラトップとショーツ姿のまま、身体を和樹に預ける。和樹は彼女の背骨の両脇から、しなやかな腰のラインに沿って、ゆっくりと圧をかけていく。ブラトップのサイドベルトが肌に当たる感触、ショーツのゴムのラインが食い込む臀部の感触。和樹は、彼女の健康的な身体が、マッサージによって官能的な反応を示していることを、はっきりと感じ取った。
「ねえ、和樹くん……」
結衣が、途切れ途切れの声で囁いた。
「私、バスケ、大好きなんだけど……受験で引退するの、すごく寂しいの……。和樹くんのマッサージしてる時だけが、何も考えずにいられる時間なの……」
その言葉には、彼女のバスケットへの情熱と、受験による引退への寂しさ、そして和樹への深い依存が混じり合っていた。マッサージの快感が、そうした複雑な感情からの解放となっていることを、結衣は無意識に表現していた。
「和樹くんしか、こんなに私を気持ちよくしてくれないんだもん……」
結衣の声は、普段の快活さとはかけ離れた、甘く、そしてどこか切なげな響きを帯びていた。
マッサージを終えた結衣は、ぐったりとソファに横たわった。その表情には、極度のリラックスと、どこか満たされたような、恍惚とした色が宿っていた。
「和樹くん、本当にありがとう。もう、全身がふわふわする……」
結衣は潤んだ瞳で和樹を見上げ、その視線は、彼への深い信頼と、性的な期待が入り混じったものだった。
「どういたしまして。少しは疲れが取れたか?」
「うん、すごく。これで、合宿も頑張れそう。……ねえ、和樹くん……また、いつでもお願いしてもいいかな?今度は、もっと、もっと……」
結衣の最後の言葉は、和樹への甘えたような要求と、より深い関係への誘いを明確に含んでいた。和樹は、彼女の開放的な性格が、マッサージの深化を促し、そして彼自身の欲望をも刺激していることを実感した。この夏、和樹と女子たちの関係は、さらに深く、そして戻れない領域へと進んでいく。
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