9月末

出会いは突然でした。


幼い頃は追いかけても追いかけても、その透き通る羽をはばたかせて逃げていく。

そんな彼女が今目の前に。


そっと手をさし伸ばすが反応がない。


幼い頃の様にまた逃げてしまうかもしれないがもう1度、

今度はその手に触れてみた。


……


ダメだ、やはり私の想いのままにはいかないのか。

彼女はどこかへ行ってしまった。


!?


さっきのは幻だったのか?先ほどとまったく同じ所に彼女はいた。


もうこんなチャンスは2度とないだろう、もう1度手を差し伸べてみる。


なんと今度は彼女もその手を私の手に触れてきた。


彼女はその手を1本、

また1本と私の手に重ねてついには私にその体全部を預けてきた。


今の今までこんな事は漫画での世界だけの話だと思っていたが、

実際体験してみると実に楽しい。


ほんの数秒の出来事だったけれど、

それは、思い出の引き出しにそっとしまいたくなるような体験だった。

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