封ぜられし“彼”と、共に立つ者

■ 現在地:星環本拠・アルネヴァの丘 地下第七層「忘却の箱庭」

■ 状態:スキル《原初解放(アーク・フリード)》発動中

■ 対象:封印存在コード《θ-001「ゼ=ハ=リエル」》 解放判定中




◇ ◇ ◇


 アキトは、クロノフラクトの力で開いた裂け目の中に立っていた。


 そこには、一柱の存在が“数千年”もの時を超えて閉じ込められていた。

 その姿は、神とも悪魔ともつかず、ただ美しく、そして――孤独だった。


■ 封印存在:ゼ=ハ=リエル

・属性:純粋自由意志存在体(フリーダム・エーテル)

・状態:絶対秩序によって凍結された思考、記憶、時間

・理由:創造主ノーネームにより、“意思の独立”が脅威と判断されたため




 「……お前が、俺を……“起こした”のか」


 ゼ=ハ=リエルの声は、まるで風のように、光のようにアキトの心へ届いた。


 「お前の中には、私が失った“理由”がある。

 ならば、私はお前と共に行こう。

 この世界が――どこまで壊れても構わないというなら」


■ 契約成立:《共鳴解放》

→ アキトとゼ=ハ=リエル、精神連結による戦闘支援&共振魔導展開が可能に




◇ ◇ ◇


 一方その頃、神界上層では――


 現在の“秩序神群”が緊急招集されていた。


 「彼が、ついに“それ”を起こしたか……

 自由意志の概念を、世界に解き放ったか」


 裁断神オルディオ=ヴァルが、重く呟く。


■ 神議決定:アキトを「秩序崩壊の核」と認定

次元制御神殿レクソラムより、「天上降裁(てんじょうこうさい)」発動決定




 「ノーネームが“視線”を向けている今、

 我々はアキトを敵としてではなく――可能な限り、味方に取り込むべきだ」


 光母神セレアが、静かに告げる。


 「……それができなければ、世界は滅ぶ。創造主ごと――」


◇ ◇ ◇


 同刻、アキトのもとへ転送陣が開かれた。

 そこに現れたのは――神界議会の使者。


 「アシェル=ネザル様。

 神々はあなたに交渉を望んでいます。

 共に、創造主ノーネームに立ち向かう道を――」


 アキトは一瞬目を閉じ、そして言った。


 「なら、条件は一つだけだ。

 俺が“自由”を守れるなら――俺はどこまでも協力する」


 その瞬間、空が砕けるような轟音が走る。


■ 概念崩壊警報:天上軌道第零天環が落下中

■ 出現存在:創造主ノーネームの“分体”が現界




◇ ◇ ◇


 空が裂け、“神すら祈らぬ”存在が姿を見せる。

 世界に“最初の定義”を与えた、あまりにも巨大で、あまりにも美しいその姿。


■ 出現体名:《ノーネーム=オリジン・シャード》

・状態:本体の1%未満の観測体

・効果:時空法則崩壊、言語遮断、存在値減衰




 「この世界は、もう“無言”で終わろうとしている」


 アキトはゼ=ハ=リエルと並び立ち、静かに剣を構える。


 「なら、その無言に――“意志”で答えよう」

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