第4話 パンプキン・パンクキン
『ああ、呆気ない事だ。なんとつまらん。』また天井から声がした。おそらく、キョンシー男の言っていた、神の存在の声だ。俺は神の存在は信じない。むしろ、悪魔とも呼ぶべきだろう。
『なんだ貴様!文句あるか!』と俺は叫んだ。四の五の言われても、死ぬのは何より嫌なことだ。どんな手を使ってでも、俺は生きてみせる。そこに他人の意見の入る余地はない。
『君はただの円と線で出来た生命体なのに、炎が使えるなんて。どれだけ滑稽なことだろう。誰が聞いても笑うだろうなあ。』とその声の主は言った。
『俺はピンチをチャンスに変える!どんな危険に遭遇しても、奇跡を創造してみせる!貴様がどんなに嘲笑おうともな!』と俺は叫んだ。
『気丈なことだ。さあ、今度こそ楽しませてもらおう。』と声は言い、また気配を消した。
それと同時に、今度はずんぐりむっくりの生命体が姿を現した。
『お初にお目にかかります。私の名前は、パンプキン・パンクキン。不思議の国のアリスの、ハンプティダンプティとは違い、私は植物性炭水化物の紳士です。どうぞよろしく。』と生命体はうやうやしく自己紹介をした。
『なんだお前は、道先案内人か?』と俺は疑問を口にした。どう見ても戦う風情は漂っていない。なにせ、身体が重たそうだし、武器らしい武器もない。
『いやはや勘違いされては困りますなあ。私はこう見えて、爆弾魔でございますから。侮らないのが身のためでございますよ。』とカボチャは言ったかと思うと、その紳士的なアルカイックスマイルを突如気味悪く歪めて見せた。
そして、『イヒヒ。』と言ったかと思うと、俺の立っているところの地面が爆裂した。
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