第14話 出会い5 舞さん 24歳②〜行けそうな気がする娘〜

 「いきなりのメッセージ、失礼します!

 都内で働いてますが、最近プライベートがマンネリで、出会いを求めて登録しました。

 余り積極的には求めていませんが、今後気楽に会ったりできるようであれば、是非仲良くして下さい。」


 ベアリング ジョブズという一風変わった名前の娘から、メッセージが来た。これまで来たメッセージとは雰囲気が違う。業者っぽい匂いがせず本気で遊び友達を探している感じがした。

 いい感じだし、こういう娘を待ってたと思ったのだが、これまでの痛い経験からすぐに飛び付いて返事をするのは控え様子を見ることにした。


 半日経ってから、俺は返事を送った。

 「こんにちは、大歓迎です♪

 お話したり、お酒を飲んだり、気晴らしにも付き合いますよ!

そう言うの楽しそう。気が向いた時、気軽に会うって好きです。

 勿論気が合えばその先も…。」


 そうは言いながら期待から、調子に乗ったメッセージになってたしまった。

送ったのが週末の夕方だったからか、直ぐに返事が来た。


 「待ってました(笑)!

 是非これから宜しくお願いします。もし宜しければ、お互いのこと詳しく知っていけたらと思うので、メールアドレス教えて貰えると助かります。

 その他のツールは会ってから追々ですね。」


 プロフィールを見た印象、仕事にストレス抱えた少し面倒なタイプかもと思ってたのだが、もっとおもしれー感じの人だった。

 この砕けた感じに一発で引かれてしまった。(いつもながらにチョロい俺!)

 

「了解です。メルアド送ります。」


1分もしないうちに返事がきた。

「メール送りました。確認宜しくお願いします。万一の場合もあるので届いて無い場合は迷惑メールも確認してみてね。」


 メールはちゃんと届いていて、直ぐにメールのやり取りが始まった。


 「いっくんさんですか?ベアリング ジョブズです!舞って呼んでもらえたら嬉しいです。

 どこかでお会いしたいのですが最初は職場から行きやすいので大塚でお願いします。

 大丈夫であれば返事お待ちしてます!」


 「舞さんですね。

  こんにちは♪いっくんです。

 メール無事届きました。大塚で大丈夫です。これから宜しく。」


 「お返事ありがとうございます。ちなみにいつが会い易いとかありますか?」

 

 「週末の午後が時間を気にしなくていいので助かります。でも少し飲みながらって感じであれば、平日夜、19時位かな?それくらいなら時間取れます。」


 「あれ、念の為確認ですが、お茶とかごはん相手探し的な感じですか?」


 「いえいえ、少し遠慮気味に探りを入れた感じです。いきなりでも望むところです。まぁそう言うのは、ある程度親しくなってからと思ったので。」


 会話のテンポが上がってきて、調子に乗った返事をし出した。


「なんだかすみません。ペース早いですか?(汗)

 なんか、がっついちゃった感じしますね。

 もうちょっとゆっくり目のほうがいいですかね?」


 全然そんなことないのに、とってもいい娘の様に感じられる。でも楽しい。

結構波長が合うんじゃないか。彼女とのやり取りはそんな風に感じられた。


「個人的には、ゆっくり目の方が好きかな(笑)。

 舞さん。僕の見た目とか、全然情報無いですよね。姿形も知らい相手でいいんですか?」


 (俺はプロフに自分の顔や姿は何も載せて無い。趣味の写真でお茶をにごしている。)


「でも、希望があれば頑張ります。是非言ってくださいね。」


 何を頑張るんだか…。もう調子に乗りまくってるな俺。


「会う前から、第一印象とこの会話で、きっともう大丈夫と思える気がしてます。」


 彼女も俺との会話をもう楽しんでくれている。そんな感じが嬉しかった。


「余りに高評価でびっくりしました!ありがとうございます♪

ご期待に添えられるよう頑張ります。」


「そんなに気負わずとも大丈夫です(笑)。

近いうち会える候補日、いくつか教えて頂けるとうれしいです!」


 「ちょっと最近は結構立て込んでて。逆に舞さんの予定ってどんな感じですか?」


 「私、今月は割と暇で、結構空いてます。」


 実は忙しいのは口実で、これまでのことがあるから慎重に行きたくてどうしようか迷った。でも彼女への興味が勝っていて思い切って時間を作ることにした。


「明日は週末だし、午後って時間取れますか?14時位ってどうでしょう。

急なので無理にとは申しませんが。よかったら考えてみてください。」

 

 「明日の午後あいてます。14時くらいならちょうどよさそうですね。」


 「ご返事ありがとうございます。

よかった。では14時、大塚で。待ち合わせ場所は大塚駅北口の山下書店前でどうですか?」

 俺も実は大塚には良くラーメンを食べに行くので、ちょっと知っている。そのちょっとの知識を駆使して待ち合わせ場所を提案してみた。


 「わかりました。それで大丈夫です。明日、楽しみにしています。

それにしても今日も暑かったですね。明日も暑そうなので早めに涼しいところに移動しましょうね。」


 結局、思ったより簡単に会うことが決定した。それに最後明らかに誘ってるよね。絶対気のせいじゃない。

 然もここまでお金の話は出ていない。順調だ。今度こそ大丈夫。そんな気がしていた。

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