第12話

ドルドは相変わらずゴブリン退治と薬草の採取を続けていた。

もう少し深く龍の森の中に入れば別の魔物もいるがそこまでして魔物を狩る意味を見いだせなかった。

ゴブリン退治と薬草採取で十分な利益が出ているのだ。

それにドルドがゴブリンを討伐することで助かっている人がいるのならそれはそれで気分がいい。

そういうわけでドルドは今日もゴブリン退治と薬草採取に精を出していた。

周囲が暗くなりだすとドルドは街への道を急ぐ。

その途中で困っている若者達を見かけた。

「何か困り事ですか?」

「あぁ・・・。手押し車を借りたのに車輪が折れちまってな」

「なるほど・・・。少し確認させて貰ってもいいですか?」

「どうにかなるのか?」

「それは見てみないとなんとも」

ドルドは折れた手押し車の車輪を確認する。

根本からぽっきりと折れているがこれならなんとかなるだろう。

「修理してみます」

「ありがてぇ・・・」

ドルドは手頃な木を切り出すと加工していく。

龍の里では何でも自分達でする必要があったのでこうした作業もドルドは一通り可能だった。

30分ほどでドルドは手押し車の修理を完了させる。

「本当に助かった。ありがとう」

そう言って若者は謝礼のつもりなのだろう。

お金を渡そうとしてくる。

「いえ。困ったときはお互い様ですよ。お金はいりません」

「そうか?だが、俺達の気がすまねぇ。晩飯を奢らせてくれ」

「そうですか?では、お言葉に甘えさせていただきます」

ドルドは若者達と一緒にオースティンの街に戻ってくる。

そのまま、冒険者ギルドを目指した。

ドルド達はそのまま受付に並び雑談する。

「俺らは最近、近くの村からでてきたんだ」

「そうなんですね。自分も最近、里を出てきたんですよ」

「それにしても龍の森で1人で活動するなんて凄いんだな」

「昔から狩りはしてましたから」

狩っていたのは竜種と呼ばれる一流の冒険者でも命の危険のある獲物だがそこまで言う必要もないだろう。

「次の方どうぞ」

「お先にどうぞ」

ドルドはそう言って若者達に先に手続きをすませるように言う。

「おぅ。悪いな」

若者達は手押し車から採取した物を板の上に載せていく。

中にはドルドが龍の森で見かけても採取しないような物も混じっていた。

「これで最後だ」

そうして全部の物を板の上に載せるとどこか誇らしげな顔をしていた。

「以上ですね?銀貨1枚になります」

「おぉ。やっぱ手押し車を借りて正解だったな」

「そうだな。明日もこの調子で頑張るぞ」

そう言って若者達は喜んでいた。

若者達の持ってきた物を運び終えた受付嬢は「次の方」と呼ぶ。

ドルドは担いでいた袋を板の上に載せる。

「今日もゴブリン退治と薬草の採取ですか?」

「換金を頼む」

「すぐに終わらせますね」

受付嬢はそう言って下がるとすぐに戻ってくる。

「銀貨5枚です」

「ありがとう」

「ドルド様は他の魔物は狩らないんですか?」

「今の成果で満足してるので」

「そうですか?ドルド様ならもっと稼げると思いますけどね」

「ちょっと考えてみます」

ドルドは決断はせずそう言うにとどめた。

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