龍の一族 伝説の龍を宿した青年は冒険者に憧れる
髙龍
第1話
「ほぅ。この子は珍しい魂を持っているな」
龍の里を見守っていた源龍は新しく生まれた赤子に興味を抱く。
「この子に付き合ってみるのも悪くなさそうだ」
源龍はそう言うとその赤子と契約をしようとしていた眷属を退かせ契約を交わした。
新しく生まれた赤子の名はドルド。
全ての龍の源となった龍である源龍と契約を交わした以外は普通の子供だった。
「ふぅ。こんなとこか?」
ドルドは里の外に出て食料となる魔物を狩っていた。
だが、その狩った魔物が問題だった。
地竜と呼ばれる龍に最も近いと言われる種族だった。
龍達としてはこの地竜と一緒にするなと怒りたいところだが確かにこの地竜にはかなり薄れているとはいえ自分達の血が流れていたのである。
薄くだが龍の血が流れているということはそれだけで強大な力を誇る。
それを軽々狩るドルドの方がおかしいのだ。
だが、ドルドはそんなことは全く理解していなかった。
量が取れて美味しい肉。
ドルドの中ではそんな扱いなのだ。
「もう少し狩っていくかな?」
ドルドは収納魔法で今狩った地竜を回収して次の獲物を探す。
少し離れた位置にこれまた龍の血を引く翼竜を見つけた。
ドルドは適当に石を拾うとそれを翼竜に向けて投擲する。
投げられた石は見事に翼竜の頭を貫き凄い音を立てて森に墜落した。
「他に取られる前に回収しないとね」
ドルドが軽く走る。
それだけで「ドン」と音が鳴りあっさりと音速を超える。
周囲にはソニックブームが広がるがこの周囲にある木々には何の被害もなかった。
普通の木なら粉々になっていてもおかしくないがこの辺の木はソニックブームぐらいで揺らぐほど軟弱な植生をしていないのだ。
ドルドが翼竜の元についたとき翼竜の肉を狙って魔物が集まってきているところだった。
「面倒だな。魔法で片付けるか」
ドルドは風の刃を想像する。
それだけで風の刃が形成され翼竜の肉を狙っていた魔物達を切り裂いていった。
「よしよし。上手くいったな」
ドルドは素早く翼竜を回収しついでに魔物も回収する。
里で一番喜ばれるのは竜種の肉や素材だがそれでも魔物の肉や素材も歓迎されるのだ。
「これぐらいでいいかな?」
数日食べるのに困らないぐらいの量を確保できたのでドルドは転移魔法で里へ一気に戻る。
「ドルドか・・・。里へ直接転移するのはやめなさいと言っているだろう」
「ごめんごめん」
「はぁ・・・。明日はお主の15歳の誕生日だ。忘れてはいないだろうな?」
「わかってるよ。バックレたりはしないから安心してよ」
ドルドとしても明日の15歳の誕生日は楽しみにしていたのだ。
これで計画を実行できる。
今から明日になるのが楽しみだった。
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