【特別編 第4話】太陽の温もり。

だんだんと太陽が昇り、空は明るさを取り戻していた。綺麗な水色の空はどこまでも輝いて綺麗だった。


「ねぇ、少し疲れたね。」

「ちょっとだけ寝ようか?」


私は、葉月ちゃんにそっと声を掛けた。


「そうだね。」


と、葉月ちゃんは少し微笑んで、頷いた。

それから2人で空を見上げならがら、ぽつぽつと話した。夜空からこの昼の晴れ渡る空は私たちの心をひとつにしていくようだった。


「ねぇ、私たち、このまま一緒にいられるよね?」


ふいに不安気な顔をする葉月ちゃん。でも、私の答えは決まっている。


「当たり前だよ。二人で幸せになろう?」

「辛いことも、苦しいことも沢山あると思うでも、この空のように輝く未来があるって私は信じていたい。」


「うん。幸せの国に行きたいな。」


「行けるよ…、海の向こうまで、きっと。必ず。どこまでも歩いてゆける。」


「…疲れたね。」


「うん。」


「寝よっか。」


ギラギラと太陽が私たちを照らす。その温もりに包まれながら、私たちは寄り添うようにして眠ろうとした。


「空みたいだ…。」


葉月ちゃんはぽつりと、零した。


「うん、いつか見たあの空みたい。」


「ううん…今日見つけたんだよ。」


「そっか。」


「だけど私たち、まるで空みたいだ…。」


空が綺麗だった。昨日の夜、二人で見つけた夜空は、私たちの吐いた息がそのまま永遠に固まってしまいそうなほどに、世界はあまりにも静かなのだと知った。それに気づいた。


うとうとと、意識が遠のく中、葉月ちゃんはこう言った。


「ありがとう。…一緒にいてくれて。」


「うん。こちらこそありがとう。」


私も微笑んだ。


「空が綺麗だね。海も綺麗だった。」


「うん。」


「ありがとう。」


私たちは、微笑み合った。

そのまま空を見上げて、しばしボーッとしてから、周りの音にふと意識を向けると、蝉の声が聞こえてきた。


「夏だね。」


と、私は零した。でも、葉月ちゃんには聞こえていないみたいだった。もう一度、


「夏だね。」


と、私は言った。でも、反応がない。肩に寄り添った葉月ちゃんを見ると葉月ちゃんはすやすやと眠っていた。





太陽はいつの間にか、私たちの真上できらきらと優しく輝きはじめていた。私たちは暑いくらいの温もりに包まれていた。その温もりに包まれて私も夢の中へと吸い込まれて行った。

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