ネクロマンサーが行く。
木工職人
第1話 最悪のーー
小さな農村部に元気な赤ん坊が産まれた。
その子の名前はマックス。
農民のジョンと嫁のキンバリーの三男坊だ。
産まれた次の日。
ジョンは村の神父様に、息子が無事に産まれたことを報告。
神父様も新たなる命を喜んで下さった。
ーーー
マックスが産まれて五年が経った。
今日は村の教会で、スキルを授かる日。
マックスも今日を楽しみにしていた。
長男のアイチはFランクスキルの農家を。
次男のケインもFランクスキルの猟師のスキルを授かった。
自分も普通のスキルを授かるんだろうなと、マックスは疑いもしなかった。
教会には同い年の子供が一人。
その子はEランクスキルの細工師のスキルを授かって、嬉しそうに両親と喜んでいた。
この星では、スキルをAからGでランク付けされている。勿論Aが最上級。Gは最底辺。
授かったスキル=将来就ける職業だと言える。
Aランクで有名なのが御伽話にもなっている【剣聖】や【拳聖】だ。これらのスキルはここ数百年、授かった者が出てきていない。
Gランクは最底辺の言葉通り【無職】や【ゴミ拾い】など、どう頑張っても職業に関われないスキルばかり。
これらのスキルを授かった奴は、危険な職業である冒険者になるしかない。
冒険者になったところで【剣士】や【戦 士】を授かった者には、どうやったって勝てない。
Eランクか。僕もCランクくらいのスキルを授からないかなぁ。そしたら冒険者にだって、喜んでなるのに。
マックスはそう思いながら、神父様が持つ判定の水晶へと手を置いた。
この水晶がマックスの人生を決める。
水晶に浮かび上がってきたのはーー
ネクロマンサー【ランク S】
この日、長い判定の水晶の歴史のなかで唯一のランクSを出した。
誰も知らない【ランク S】
神父様や両親がその判定の結果に困惑する。
ヤバい! マックスは幼いながら、危機感を覚えた。その時。バチィーーン!!と何かが頭のなかで弾けた。
マックスの視界がボヤけ目眩がする。
な、なんだ急に!? 立っていられない!? だ、ダメだ‥‥‥意識‥‥‥がっ!?
マックスはそのまま意識を失うのであった。
ーーー
ん? ここは何処だ?
マックスは知らない天井を見ながら、目を覚ました。
布団から起き上がると部屋を見渡す。
ボーッとしていた頭のモヤが晴れていく。
そうだ。ここは僕の部屋じゃないか。昨日も仕事で疲れて、帰ってきた。
今日は久しぶりの休みだからって、昨日はお酒も飲んで‥‥‥。ん? 仕事?
五歳の僕が仕事で疲れて帰ってきた?
何を言っているんだ? あれ? 僕は‥‥‥誰だ?
僕は‥‥‥そうだ、僕は渋谷 裕だ。
大学を卒業して就職して4年目。
ブラックとまでは言わないけどグレーの会社に就職。残業は当たり前で、休日出勤しなきゃ仕事が終わらないなんてことも普通。その分、給料は良い。
実家の葬儀屋を継ぐのが嫌で両親とは連絡を断っている。
そのくせにオカルト的な置物や雑誌は数多く部屋にある。
鬼の木乃伊の腕、人を呪い殺した妖刀、呪いの人形。そんな売り言葉があれば興味をひかれて大金を出して買った。
さっきまでの子供の夢は何だったんだ?
凄くリアルだったな。ネクロマンサー【ランク S】か。現実なら最高のスキルだったのになぁ‥‥‥。
出来る事が沢山あるだろうなぁ。死霊術は便利なスキルだろうし。冒険者になって一流冒険者の仲間入りだって、出来るだろうな。
ーース
僕が便利なスキル持ってなくても、死霊たちが持ってたら良いだけだもんなぁ。
ーーックス!
あーあ。夢じゃなかったらなぁー。
マックス!!
「はい!!」
「おぉ!目を覚ましたぞ! 大丈夫かマックス!?」
あ、あれ? 夢の中の父さん母さんだ‥‥‥。僕は‥‥‥マックスだ‥‥‥ッ!?
ち、違う!? 夢じゃない! 僕はマックスだ!
こ、これは‥‥‥まさか、異世界転生?
えっ? 僕は死んだのか? ステータス・オープンとか思うとステータスが出るのか?
ーーブォンーー
「ギャァーー!!出たぁ!!」
【名前】マックス・バーン
【職業】ネクロマンサー【ランク S】
【魔法】死霊術
【スキル】召喚 死者交渉 異物呼び寄せ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます