43話.魔素とは何か、妖化とは何か

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・前書き

 星レビューありがとうございます。今後も頑張って参りますので、引き続きお付き合い頂ければと思います。

 この回から三話ほど“魔素”に関して主人公たちの考察があります。やや複雑ですが、話の理解としては『魔素は魔素』と言う認識で問題無いかと思います。ご質問やご指摘など有ればコメントにお寄せください。前書きは以上です。

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43話.魔素とは何か、妖化とは何か



 フェイの住むマンション近くに来たので、教えられたパーキングを探して車を停める。こう言ったものに停める機会がそんなに無かったので少し緊張してしまう。広い駐車場だったのが救いだった。


 近くに来たと連絡を入れて、そのままマンションに歩いて行く。ただ歩いている時も訓練だと思い、丹田があるとされる骨盤を意識して、重心を前に動かすイメージで歩く。


 ゲーセンの筐体に付いてる操作レバーを俺はイメージしている。レバーの玉が骨盤にあり、それを前に倒している感じだ。


 重心が前に行くと自然と足が付いてくる。重心の下に足が常に移動するように気をつけながら歩く。これを意識するようになってから、疲労がいくらか減ったように思える。


 格闘においても重心移動、英語だとシフトウェイトかな?これがキモだと、俺は信じてやっている。某ボクシングのマンガでも、主人公が最初の方に教わっていたよね。何事も一歩が大事。


 あのマンガ、フェイのマンガ部屋にもあるかな?見直してみたくなった。ガゼルパンチ!アカン!肋骨を持ってかれた!!




 マンションの玄関について、部屋番号は覚えていたので、それを入力してからインターフォンを押し、呼び出して待つ。


『どぞー』

「うい」


 なんとも気安いやり取りをしてから、開いた自動ドアを通り、フェイの部屋へ。なんか落ち着くと言うか、楽なんだよなフェイとのやり取りは。そうなるようにフェイが振る舞ってくれている部分もありそうだが、相性自体も良いように思える。


 歳下の女の子とこんな関係になる事は無かったし、以前いた会社でも女性とは特に会話をする機会は無かった。お互いに近付くような事が無かったと思う。俺が嫌われていたとかは……無いはず。無いよね?



「いらっしゃーい」

「お邪魔します」

「今日はそのまま行くよね?」

「うん?ああ、手土産無くてごめん」

「全然良いよー。なんなら後で一緒に食べに行こうよ。インドカレーのお店近くにあるんだけどー、どうかな?」

「おお!インドカレー、私大好き!」

「なんでカタコトなのーw」


 話しながら“マンガ部屋”へと入る。今日は以前の仕掛けを直ぐに発動。多少のやり取りをした後、またBGMを掛けてから秘密の部屋へ。まるで魔法学園みたいだね。



「それじゃーこの前チャットで言ってた内容を聴かせてもらおうじゃないか?」

「またそのポーズかい」

「お約束って大事だよねー」


 まぁそうだけどね。


 それから俺は、待機妖化を使ってから『気』のスキルを使って、その時に強い痛みがあった事と、新躰強化のスキルレベルが上がって、スキルを使うと肚の痛みが治まった事をフェイに話した。


「ええ!?それで大丈夫だったの?」

「ああ、もう全然大丈夫。それで妖化について考えてた時に、地下迷宮の事も仮説を立てたんだよ」

「ふーん?でも妖化ってそんな風になるかな……。私の考えが違ってたとか?いやそんな筈は……」


 なんだろう?何やらフェイが考え込んでいるが、ブツブツと聞こえるだけで明瞭では無い。


「話を続けて良いか?」

「うん?うん。そうだね。まずはちはるんの話を先に聴こうかな。それでまた分かることも有るだろうし」

「ああ。少し長くなるけど、聞いてくれよ。世紀の大発見かも知れないからな」

「なんか壮大だねー。ちょっと楽しみ」


 フェイは疑問を抱きながらも目はキラキラとして、大きく目を開けてこちらを見ていた。



「待機妖化、待機中に何かしらを妖化するものってのが、なんとなく持ってたイメージだったんだが」

「うん……。うん?」

「そこで『気』を使ったら肚が痛くなったわけなんだよな。体内の何かしらの“気”が妖化されたせいで、どんな変化が起きたか分からないけど、痛みが起きたわけだよな?」

「うーん、そこは確かに謎なんだよね。なんで気と妖化で痛みが起きたのか」

「そうなんだよ、それなんだ」


 俺はここだとばかりに身を乗り出し、自分の考えを言う事にした。フェイもきっと驚くに違いない。


「妖化、そして気。つまりとある“気”が妖化され、妖気となったわけだ」

「……」

「妖気。地下迷宮で言われている魔素の事だと仮定すると、魔素とはいったいどんな“気”なのか。」

「はぁ……続けて」


 うーん。なんか手応えが無いというか、フェイが呆れたような顔なのが気がかりだが。


「つくづく俺は疑問だったんだよ。なんで魔素と呼ばれるものが空気中に溢れている地下迷宮で、俺たちは普通に過ごせているんだろうかと」

「うんうん、それは今も謎な部分だよね。地下迷宮では空気組成を測る機械がちゃんと作動しなくてね。私も測定しようとして無理だったんだ。それであの時逸れちゃったわけなんだけどね」


 俺と初めて会った時か。それでケンゾウさんと逸れてたんだな。フェイらしいと言うか……。


「そこで俺は考えたんだ。空気中の酸素なんかはあまり変化が無い。だから普通に呼吸も出来てると」

「……おや?流れが変わったな」

「空気中に含まれる気体の中で、人間の身体にほとんど影響の無いもの。それでいて地下迷宮で多量に置き換われるもの」

「え……?まさか、ちはるんが言いたいのって」


 ふふん、ようやくフェイの反応も良くなったな。もっと反応してくれ!ってこの言い方はちょっと卑猥か?


「そうだよフェイ。その気体とは窒素。それが地下迷宮の中で、一定の割合で他の気体に置き換わってるんだよ!それこそが妖気、つまり魔素と言われているものの正体なんだ!!」

「…………」


 ……。あの、フェイさん?黙られちゃうと困っちゃうよ?



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菅田スダ 知春チハル


◆シンタイキヨウカ

・新躰強化 Lv.8

・身体器用 Lv.6

・進退強化 Lv.6

・待機妖化 Lv.4

・息 Lv.4

・気 Lv.4


✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼

潤目ウルメ フェイ


◆知性 Lv.11 投擲 Lv.3 観察 Lv.9

 

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