33話.腐った奴等、二度目の再会
33話.腐った奴等、二度目の再会
◆
「うるせーな!どうせタグが無きゃ開かねーんだろ?」
「でも……」
「と思うだろ?こちらから開けられなくても、向こうから開いたら?」
「なるほど、マンションのオートロックと同じか!」
なんかとっても不穏な事を、男3人がボス部屋の前で話していた。何かあったらと思って意識を向けてたら、本当に何かあるだなんて思わないじゃん?
見た目は金髪野郎と緑髪野郎、それから小太りチビのデコボコ3人組だ。こんな時じゃなきゃスルーしてるような奴等だった。
「先輩の話だけど、オートロックのその侵入で色々ヤッてたOBも居るって噂だぜ」
「マジかよ。俺たちもワンチャンあるんじゃね?」
「今度先輩に詳しく聞いてみようぜ!」
マジでクソじゃねーか。スライムに溶かされてこの世から消えてくれないかな?
「ねぇ、魔物が出たら危ないよ。ギルドの人も避難しろって」
「うるせーつってんだろ!帰りたいならお前一人で帰れよ!」
「ほんとお前邪魔だな。消えてくんない?」
「なんだよ……。二人のバッグを頑張って持ってきたのに……。僕はレベルが低いから嫌だっていつも言ってるのに……」
ああもう!なんなんだこの3人!追い払ってこようかな!?地下迷宮の中でなら俺の方が強いし!もうやっちゃって良いっすか!?
「お前らここで何してる?避難勧告を聞いてないのか?」
◆
ボス部屋が開いたかと思うと、女の声が聞こえた。と言うか、これもまた聞き覚えのある声だったよ。いや、まさかこのタイミングでアイツが……?
「ケンゾウさんに声をかけられたから、
アイツは不思議そうな顔でなんか言ってるけど、それどころじゃないんだよなぁ。
「なんだよ!お前のせいでボス部屋に入るタイミング逃したじゃねぇかよ!」
「いや待て、コイツ女じゃん。ボス部屋はもう良いからさ、人もここらに居ないしよ……」
「馬鹿よく見ろよ!初期装備じゃないし、タグも付いてるだろ!探索者だよ!!」
そうだよ探索者だよ。つーか津賀じゃんかよ!なんで今出てくるんだよ!
「あぁん?変な事考えてるなら容赦しねーぞ?今は見逃してやるから、早く避難しとけって」
煽るのか避難勧告するのか!どっちなんだい!!
いや津賀なら、緊急時で無かったら容赦無く“教育的指導”をしてたんだろうな。なんとなく想像出来てしまうのが悲しい……。
「お、お前行けよ。レベル5だろ?」
「お前だって同じだろ?」
「総合レベル5でイキってたのかよ……」
「……ふざけるな」
金と緑がどうぞどうぞとダチョウって、津賀がそいつらのレベルの低さに溜息を吐いていたその最中。小太りチビの様子がおかしい事に、俺はようやく気が付いた。
「みんなしてボクのことを無視しやがって!バカにして!ふざけるなぁ!!」
小太りチビが喚きながら、足下にあるバッグから取り出したのは……石か!あの二人、石の詰まったバッグをアイツに持たせてたのか!
「みんな死ねよぉ!!」
小太りチビはパニックになったまま、握りしめた石を緑髪に向けて投げつけやがった。地下迷宮でやったら、ケガだけじゃ済まないかも知れないのに。
「危ねぇ!」
あんな三人がどうなろうが、俺はどうでも良かった。地下迷宮に入ってまでバカなことしてる奴らに、付ける薬も無い。なのに津賀は、スキルによるものなのか?だいぶ離れた距離から、凄い速さで緑髪の前に飛び出していた。
「なっ!津賀!!」
津賀の倒れた姿を見た時、俺はいつの間にか声を上げ、飛び出していた。
「うぁ……ボボっボクは、ボクは……うわあああああああ!!」
「てめぇ!待てよオイ!俺に石を投げやがって!!」
「はぁ?お、俺は悪くねーからな!見てたよな!?今のはこの二人の問題で……逃げるなよお前ら!!」
第三者の俺の声に驚いたのか。石を投げた小太りチビが逃げ出すと、途端にそれを緑髪が追いかけ。さらに金髪野郎が俺に何かを喚きながらその二人を追いかけて行き、三人は逃げていった。
「津賀!大丈夫か!」
緑髪を庇った津賀は、頭に石を喰らいそのまま倒れてしまった。こめかみ辺りから流血している。打ち所が悪い?起き上がる様子も無い。つうか意識が無い?
駆け寄りながらも頭の中は真っ白になっていた。どうしよう、死なないよな?息はあるか?脈は?早く手当てしないと。なんで助けられなかった?俺に何が出来たって言うんだ?ちゃんと目を覚ますよな?障害が残るかも?
落ち着け俺!!
たった数秒が何倍にも感じる中やっとボス部屋の前に辿り着き、津賀の様子を確認する。
呼び掛ける、反応がない。やはり意識が?
顔色は、悪く無さそう。
脈、首を触るのか?……脈はある!
息は……してない?息してない!?
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◆シンタイキヨウカ
・新躰強化 Lv.7
・身体器用 Lv.6
・進退強化 Lv.6
・待機妖化 Lv.3
・息 Lv.4
・気 Lv.3
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◆ラビットラピッド Lv.21
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