26話.待機妖化の可能性、Let's Garlic!

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・前書き

 昨日誤って27話を公開してしまい、通知が行ってしまったかも知れません。順番としてはこちらが先で、この後に27話となります。お騒がせしておりましたら申し訳ございませんでした。前書きは以上となります。引き続き当作品をお読み頂ければと思います。

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26話.待機妖化の可能性、Let's Garlic!



「今!?今生えたの!?」

「ああ、多分今だと思う。妖化とか自分には無い発想だったし、少なくとも今日の朝には生えて無かったはず」

「まさか……地下迷宮の外で新しいスキルなんて。これこそ前代未聞だよ……」


 そんなに凄いことらしい。俺のスキルって進退強化を除いて、みんな外で生えたスキルだからな。感覚が麻痺ってるのかも。


「ちはるんの脳味噌を解剖したい衝動に駆られるよー」

「やめろぉ!」

「しないけどね?それほど凄いことが起きてるんだよ!私の目の前で!」


 恐ろしやマッドサイエンティスト!なんて言ってはいるが、潤目うるめさんは常識人寄りの研究者だと思う。ヤバい奴は俺の存在を知った瞬間に拉致ったり平気でしそうだ。偏見が過ぎるか?


「とにかく検証してみよう!」

「? 何を?」

「待機妖化に決まってるじゃないか!」

「あ、そっか」

「もー!いいから早くして!」


 潤目さんに請われて『待機妖化』の発動を念じる……。


「どう?」

「どうって?」

「いや効果だよ。気配が薄くなってる?」

「うーん。分かんない、かな?」


 やっぱりか。スキルが発動してる感覚が殆どしてなかった。難しいスキルなんだろうか?


「そうだ。息のスキルと同時に発動出来ない?」

「息と?……無理っぽい。レベルが低いからかな?」

「じゃあ、始めに息を整えて。それから待機妖化してみて。周りと馴染ませるイメージで」


 言われた通りにやってみる。深呼吸、深呼吸……息スキルで落ち着かせて。それから待機妖化スキルを。


 お?なんか、自分の感覚が、主に皮膚感覚?がぼやけてきたような?


「なーんか、ちはるんの存在が薄くなってる気がする」

「え、俺消えちゃうの?」

「消えないでしょ普通。自分の周りに膜を張ってる感じじゃないかな?境界線を薄くしてる感じ」


 潤目さん目線だとそうなってるんだ。面白いな。まるで忍者になったような気分だ。スパイの次は忍者とか。


「まだ隠れるまでにはいかないね。レベルが低いからかな?」

「どうなんだろう?なんか、まだ足りない感覚なんだよね」

「ふーん。妖化か。妖化ねー」


 潤目さんはブツブツと何か言ってたが、結局はこれ以上の進展は無かった。これからの成長に期待しよう。期待し妖化。なんつってね……。一気に冷えてきたな。ホットミルクをください。



「何かあったらまたURMENウルメンで連絡してね」

「分かった。伏せられそうな内容だったらチャットに直接書くよ」

「うん。じゃあ上に戻ってケーキ、食べよっか!」


 待機妖化が発生した後も“色々と話し合い”は続き、ようやく本日はお開きとなった。時間もだいぶ経ってるし、女性の一人暮らしの部屋に長居するのも、ね?


 フェイに言われるまでケーキを買ってきてたの忘れてた。4個買ってた筈だし、2個ずつ二人で食べよう、かな?

 たくさん考える事があって、甘いのが欲しくなってたところだ。ちょうどいい。


 俺たちはゆっくりとマンガ部屋に戻ると、物音の仕掛けを切ってからリビングに戻って、一緒にケーキを食べる。


 その間は盗聴のリスクを考慮して、スキルの話はせずにマンガの話や、最近の趣味の話とかをケーキと共に楽しんだ。家庭菜園の話なんかをしたら、出来たらお裾分けしてねー!なんて頼まれたり。


 あとは二人の呼び方をそれぞれ『ちはるん』『フェイ』と呼び合う事にもなったり。潤目さん呼びがなんか嫌みたいだ。思い出したくない事を思い出すとか。


 フェイの方が歳下だから、さん付けも変だし、この年齢でちゃん付けも違和感あるし。消去法で呼び捨てになった。初体験がまた増えたよ。



 家に帰って早速、ニンニクの家庭菜園の準備を行うことに。フェイにも食べさせる約束をしてしまったし、時期的にものんびりと構えてはいられなくなってきた。

 とは言っても、畑仕事の先輩であるご近所さんたちに教わりながら、肥料を土に入れながら畑を耕して、あとは黒いビニールみたいなのを掛ける準備はしてある。マルチングだっけ?穴をたくさん開けるの大変だった。


 健康志向の強いスーパーで、ちょっとお高めの大きいニンニクを買ってきた。寒い地方向けのニンニクと、暖かい地方向けのニンニクと大きく分けても2種類あるそうで。

 関東圏だとどっちにすれば良いか分からなかったけど、寒い地方向けのにしてみた。これを種にしてニンニクを増やせると良いんだが。


「動画を見ながらやってみるか。Let's Garlic!」


 動画は某健康サプリの会社がやってるチャンネルとか、家庭菜園向けのチャンネルとかを参考にしております!ありがとうございます!!


 ニンニクをバラバラにして見ると、大きさにバラツキがあった。小さいのは葉ニンニク用にすると良いと言うので、植える場所をそのつもりで分けようか。ごっちゃにならないようにね。それでも成長によっては臨機応変に変えるつもり。


 んで植える前にそれらを水に浸けるんだって。これで根が生えやすくなるのか。


「え!?冷蔵庫に20日間!?」


 水に漬ける前に、冷蔵庫で冷やすらしい。予冷って言ってる。10月になって冷えてきてはいるけど、まだ暑い日もある。そんな中で土に植えても、上手く芽が出ないことがあるんだってさ。


 それでしばらく冷蔵庫で休ませて『秋が来たよー!』と教えてあげるんだって。面白いな。

 しなくても良い手順ではあるらしいが、どうしよう。やってみるか。初めてだし色々やってみたい。


 んじゃ動画の通りにして。20日は長いな。気温がもう少し下がってきたら早めに出そうかな?今は土の温度がまだ高いみたいだから、それが落ち着くまでの繋ぎ的な感覚で。


 上手に育って欲しいなー。『気』のスキルでエネルギー的なのを送ってみた。まあ“気”休めだけどね。芽が元気に出るようにっておまじない。



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菅田スダ 知春チハル


◆シンタイキヨウカ

・新躰強化 Lv.5

・身体器用 Lv.5

・進退強化 Lv.5

・待機妖化 Lv.1

・息 Lv.3

・気 Lv.3


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潤目ウルメ フェイ


◆知性 Lv.6 投擲 Lv.1 観察 Lv.5

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