第04話 パーティ・ハード

「グランドコントロールより、トム少佐。聞こえているか? お前が一度は属した場所に、戻れゲット・バック、ジョー」

 ミスター・ムーンライトは、戻れゲット・バックと言ったが、キッズはオール・ライトじゃない。俺は満足サティスファクションできない。ロックンロールが俺には必要で、毎夜パーティをするんだ。*1


 パーティ・ハードな日々を過ごした。ビールの光が俺たちを導いた。山ほどある酒。日本酒、バーボン、ビール、アブサン、焼酎、どぶろく、テキーラ。街から街へ。店から店へ。

 町にあるすべてのバーを訪れる。これが俺のポリシー。*2


 ある十一月の雨ノーベンバー・レインが降る日。キング・クリムゾンの宮殿に、サン・キングがやってきた。サン・キングは、バカなアメリカ人アメリカン・イディオットで、借金大王で、戦争の豚ウォー・ピッグ。世界に赤いジャムを塗りつけて食べる手合い。

「ウェルカム・トウ・ザ・ジャングル。蝶の羽根をいただいてこっちに来ればいいのに。こっちでは思い通りだぜ」

 サン・キングが言った。パパラッチ、ミ・アモーレが同意した。ここはビバリーヒルズ。悪意と呼ばれた都市。ギャングスタズ・パラダイス。都市にある毒性。

 俺は、金持ちで有名なリッチ・アンド・フェイマスなライフスタイルに憧れた。金。俺の人生を自由にするもの。山羊の頭のスープ。みんな世界を支配したがっている。*3


「ゲット・ザ・パーティー・スターテッド!」

 サンキングは言った。

 リムジンに火を向けるようなどんちゃん騒ぎが始まったセレブレーション。青い血のワインが注がれる。*4


 あの愛の蜃気楼の中で乱れた思考。誘惑する物質世界マテリアル・ワールド物質少女マテリアル・ガール。グラビアの美少女。バービー・ワールドのバービー・ガール。ミラクル・ギャルのハートに向かって。*5


私はあなたの奴隷よアイム・スレイブ・フォー・ユー女たらしウーマナイザーさん」

 トキシックな女の子が言った。

「ピーター、ポールと三人3でしたわ」

 メアリーという別の女の子がそう言っていた。

 ここはデンジャーゾーンだ。いけないルージュ・マジック。さくらんぼの爆弾チェリーボム。真っ逆さま、堕ちるディザイア。*6


「クレイジー。この狂気の列車クレイジー・トレインから降りるよ」

 ピンボールの魔術師は言った。

「ジョジョは自分のエゴと愛を交わしている。彼のスウィートな手を破壊して、バンドを解散したら良かったか?」

 ピアノマンは言った。

 二人は姿を消した。

勝手にしやがれネバーマインド

 俺は言った。*7


 土曜日の朝。動物園にて。

 猿、キリン、ゾウ、オランウータン、シマウマ、鳩。飼育員。

きょう、魚に餌をやったハブ・ユー・フェド・ア・フィッシュ・トゥデイ?」

 彼女は言った。

昨日イエスタデイずっとどこにいたのウェア・ハブ・ユー・ビーン? 私が電話しても、あなたの回線はつながりっぱなし。私がハローと言えば、あなたはグッドバイ」

 昨日。サン・キングのバースデー。パーティだった。

説明が難しいハード・トゥ・エクスプレイン。忙しい日の夜だったので、丸太のように寝てた」

 俺は言った。

「僕について心配はいらない《ドント・ウォーリー・アバウト・ミー》」

 雨。

 走って、頭を隠す。物陰にすべりこんだ。

あなたの愛はどれくらい深いハウ・ディープ・イズ・ユア・ラブ?」

 エミリーは言った。

「胸いっぱいの愛を」

「あなたの口はスムーズに動くけれど、あなたの声はクリアーに聞こえない。あなたの愛し方が分からない」

「僕について心配はいらない」

 雨。*8



歌詞の引用元

*1デヴィッド・ボウイ「スペース・オディティ」キッス「ロックンロール・オールナイト」

※2デヴィッド・ボウイ「ジギー・スターダスト」hide「D.O.D. (DRINK OR DIE)」ラモーンズ「ボンゾ・ゴーズ・ビッツバーグ」

*3ビートルズ「サン・キング」hide「ピンク・スパイダー」ビートルズ「マニー」

*4 X JAPAN「セレブレーション」

*5 GLAY「誘惑」マドンナ「マテリアル・ガール」アクア「バービーガール」ギターウルフ「インベーダーエース」

*6中森明菜「ディザイア」

*7オジー・オズボーン「クレイジー・トレイン」デヴィッド・ボウイ「ジギー・スターダスト」

*8サイモン&ガーファンクル「動物園にて」ビートルズ「ユー・ウォント・シー・ミー」「ハロー・グッドバイ」「バースディ」「ハード・デイズ・ナイト」「レイン」「アイム・ルッキング・スルー・ユー」

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