第13話「あれ?繋がらない?(笑)」
## 連絡先交換の落とし穴、そして続く笑い
番号を交換し、彼が私のスマートフォンを覗き込んでいた。私も、彼のスマートフォンをのぞき込む。指先が触れ合いそうになる、その寸前で、彼は「あれ?」と、少し困ったような声を上げた。
「あれ?繋がらない?(笑)」
彼の声は、いつものように明るかったけれど、少しだけ、いたずらっぽい響きも帯びていた。私の心臓が、一瞬ドキリとする。まさか、そんな、漫画みたいな展開が起こるなんて。
「え、何で?ちゃんと入力したはずなのに…」
私も、自分のスマートフォンを操作しながら、彼の様子を伺う。画面を見つめる彼の表情は、どこか楽しんでいるようにも見える。
「うーん、なんか、表示が違うな…」
彼は、画面を指でなぞりながら、さらに面白そうに言った。
「やられたかな(笑)」
彼の言葉に、私は思わず吹き出した。この展開、なんだか既視感がある。そういえば、私も過去に、相手の番号を間違えたことがあったっけ。
「私も、もう一回入れてみますね!」
私も、もう一度、彼の番号を入力しようとする。しかし、何度試しても、どうやら「繋がらない」らしい。彼の入力した番号が、私の番号と違っていたのか、あるいは、その逆か。どちらにしても、これは明らかに、どこかの入力ミスだ。
「これは…偶然じゃなくて、運命のイタズラかな?」
彼は、私の顔を見ながら、ニヤリと笑った。その笑顔は、今日の朝からずっと、私を惹きつけてやまないものだった。
「そうかもしれませんね!なんか、そういうところも、△△さんらしいというか…」
私も、彼の言葉に乗り、返した。もう、この状況を、ただのミスだとは思えないほど、私たちはこの偶然の展開を楽しんでいた。
「じゃあ、どうしようか。もう一回、ちゃんと、紙にでも書いて渡そうか?」
彼は、そう言いながら、あたりを見回す。しかし、展望台を出てすぐの場所では、残念ながら、紙とペンを見つけることはできない。
「えー、でも、また間違えたらどうしよう…」
私は、少し不安そうに言う。
「じゃあ、こうしよう」
彼は、私の言葉を聞くと、少し考え込んだ。そして、何か良い考えを思いついたように、パッと顔を輝かせた。
「SNSとか、やってる?」
「あ、はい。やってます!」
「じゃあ、そっちで繋がろう。DMとか、多分、間違いようがないだろ?」
彼の提案は、とても現実的で、そして、次の繋がりへの確実な一歩だった。私は、彼の提案に、笑顔で頷いた。
「はい、お願いします!」
私たちの「連絡先交換」というミッションは、少しばかり波乱があったけれど、最終的には、こうしてSNSという形で、無事にクリアされることになった。これもまた、私たちらしい、温かいハプニングなのかもしれない。彼のいたずらっぽい笑顔と、私の少しばかり照れたような笑顔が、朝の光の中で、静かに溶け合っていた。
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