第5話「冒険者ギルド」

 私は賑わっている朝の通りを歩きます。買い物と魔石の換金で、久しぶりに開拓地の街アッセルを訪れます。

 冒険者ギルドの前に着きました。

 様々なクエストを受注した冒険者たちが、いざ出動する朝の風景ですね。これからの領地警備に、そちらも考えねばなりません。

 まずはこちらの様子を見てみますか。私はクエスト発注掲示板の前に立ちます。


 採掘坑道の警備が多いですね。ダンジョン攻略クエストもありますか……。

 街の西側の先には鉱山があり魔石が採掘されています。その奥に稼働中のダンジョンがあり、多くの冒険者がそこで活動しています。

 他には森に入っての討伐や、水路に集まっているスライム退治、薬草の採取のお馴染みのクエストが並びます。

 強力魔獣の討伐などの特別クエストはないようでほっとしました。ここを見る限り、魔獣が増えているような兆候はなさそうですが……。


 私は受付に移動しましす。


「あっ、いらっしゃい。エリーゼさん。また冒険者を始めるんですか?」

「ううん。ちょっと魔獣が増えたみたいなので、父の手伝いをしてるの。これ換金してもらえる?」

「はい」


 顔馴染みの受付嬢さんは笑顔で話してくれます。

 父の集めた魔石換金で月に一度は来るのですが、今日は冒険者姿なのでこのような挨拶になりました。

 私は差し出されたトレーに革袋の魔石を出します。


「あっ、今日は大きいのが三つありますね」

「牙狼を討伐したの」


 決して大きくはないのですが、私がいつも持ってくる魔石の中では大きいという意味です。

 受付嬢さんは小物の小さな魔石と、中くらいの魔石を分けてハカリに乗せます。そしてメモにペンを走らせました。


「これが買取金額となります。よろしいですか?」


 小物魔石が一山で五千ルッテ。牙狼が三頭で三千九百ルッテとなります。一頭千三百ですか。


「うん、いいわ。これでお願いします」

「はい。ありがとうございます」


 小金貨八枚に中銀貨一枚、小銀貨四枚。しめて八千九百ルッテとなりました。

 貧乏な私たちには貴重な収入です。

 ここの新人職員の給料なら、一日で千二百ルッテぐらいになるでしょうか?


「ところでダンジョンで人を集めているみたいだけど、何かあったのですか?」

「採掘坑道の下層に新ダンジョンが出現したんですよ。今そこの攻略中です」


 冒険者たちが張り切っているわけがこれですね。これで稼働中のダンジョンが二つとなりました。


「苦戦しているのかな?」

「そうみたいです。もしよろしければぜひ応援をお願いします」

「うん。考えてみるわ」


 とは言ったものの、しばらくは様子見です。私は一人なので、ダンジョンなら新たにパーティーを組むか、どこかの応援に入るかどちらかなのですが……。


 私は家の事情もあるので、いつも応援専門のソロ冒険者でした。

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