第30話 やっぱり………バスケ部の財布盗んだんだな……

 おーーーーーーいっすー!鳴理金次郎のお出ましだわい!!!!




「なんで……そんな事したんだよ……」


 オレは前田にそう尋ねる。


「私……鳴理さんの一番になりたかった………一番の友達になりたかった!!」


「「「ッッッッッッッッ!?」」」


 オレらは全員驚く!


「だから……鳴理さんを孤立させる為に財布を盗んでロッカーに入れたんです!そうすれば!孤立した鳴理さんに私が近づいて、鳴理さんともっと仲良くなって!私が一番の友達になる!!」


「え、ちょっと待って!」


 前田の話に銅四郎が待ったをかけたッッッッ!!


「え、なんですか……?」


「ロッカーに入れたって……金次郎くんのロッカーって鍵付きだったんだよ?しかもバスケ部の部室にどうやって出入りしたの?」


「あ、私の特技はパッキングなんです。だから開け閉めできました」


「え?パッキング?」


「なるほどな、パッキングで開けたのか。なら納得だな」


「そうだねお兄ちゃん!」


「え?パッキングって何?ピッキングじゃなくて?パッキング?」


「ん?銅四郎?どうしたんだよそんな動揺して?」


「えっ…?なんで金次郎くんと霧子ちゃんは納得してるの?え?僕が世間知らずなだけ?」


 なんだなんだ?銅四郎、パッキング知らねえのかよ。割とお茶目なところがあるんだなぁ〜。


「えーと……そうか……前田がやっぱりこの事件の犯人なのか………」


 そうか……前田が……。


「「「え……………」」」


 オレの目からは涙が溢れた。


「なんで……なんでそんな……前田………」


「お、お兄ちゃん………泣かないでよお兄ちゃん!」


「鳴理さん………私……そうですよね。こんなに酷いことして……」


「え、なんかパッキングの流れのせいで僕この悲しいムードについてこれないんだけど………」


 ヤベェ………めっちゃ涙出てきた………。


「なぁ前田、オレはお前を大事な……一番のダチコーだと思ってる………」


「え……!鳴理さん……!どうして……私!こんな酷いことして………」


「でもな前田、銀三郎や銅四郎、鉄五郎に妙子、内田だってオレにとっては一番のダチコーなんだ!」


「………ッ!」


 前田は驚くッッッッ!!!めちゃくちゃ驚くッッッッ!!!!


「だからさ………前田にはオレ以外のダチコーにも仲良くしてほしいんだ!今言った奴らもそうだし、妹の霧子や、図書室の田宮センセーなんかとも!!オレはお前とオレのダチコーが仲良くしている所を見てぇんだ!!」


「鳴……理……さん……」


 前田も、オレの訴えに心打たれたのか泣き出した。


「私……わたし………うわわわわわわわわわーーん!!!!」


 めちゃくちゃ泣く前田!!


「い……いいんですか!私が……許されて……!!」


「いいんだ……許すからさ……これからはさ…オレや…オレのダチコーと仲良くしてくれよ……」


「ぐすんっ……!はいッッッッ!!!」


 そう大声で言った前田を見て、オレはニッコリと笑った。


「ハァ……お兄ちゃんったら…まったく……!そういうことで!私も仲良くしてくださいね!」


「はい!霧子さん!それに銅四郎くん!」


「え、あ、うん…よろしく……」


「よーし!そんじゃ何処か遊び行くか!」


 そして、オレらはファミレスを後にした!さて、何処に遊びに行くかな!







「え、これで終わり!?パッキングの流れから僕ずっと置き去りなんだけど!?」




そんな銅四郎を置いといて、次回、最終章突入っっっっ!!!!!!!

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