第22話  お〜れ〜は強盗〜!か〜ね取るぞ〜!

俺の名は剛戸土某郎ごうとどぼろう!!強盗だ!!


 今クレープ屋に強盗に入っている!!そして人質も取っているんだ!!


「きゃーーーー!!」


「はははーー!!金だ!金を出せ!!!」



 少し俺の話をしよう!俺は強盗一家の長男に生まれた!そして強盗幼稚園、強盗小学校、強盗中学校に強盗高校生、そしてなんと!あの最難関な大学……強盗大学を主席で卒業している!凄いだろ!!!



 そんな俺は今日で初めて強盗する!つまり今までの学校での経験を発揮することができるのだ!!


「い、いや!離してください!」


「うるせい!この包丁がっっ!目に入らぬかっっ!!!」



 俺が今人質にとっているのはこのか弱そうな女子高生!眼鏡で三つ編みって、いつの時代だってんだよ!!!


 ん?でもなんかコイツ、結構美人だな。てゆうか何処かで見たような……………


「ッ!!前田ッ!!」


「……………」


 その時、女子高生と男子高校生の二人組が店内に入ってきた!コイツの知り合いみてえだな!


「動くんじゃねぇぜ!!動いたらコイツの首をコ・レ・で斬るぜ!!」


 俺はそう叫ぶ!!!今のは強盗大学で学んだ"決まり文句"ってやつだ!!!流石俺ッ!今の叫びも決まってたぜ!!!


「内田、強盗だけ倒せるか?」


「出来るけど………殺すこともでき…」


「いや殺すなや!殺さない程度でやれ!」


「ハァ…………。わかったよ。貴方が言うなら……」


 なんだ?高校生二人がコソコソ話してるぞ?


「おい!お前ら何話してるんだ!静かにし……」







「くらえ!飛び斬撃バサミ!!!」



 突然ッッッ!!コソコソ話してた二人組の女子高生の方が裁縫バサミを出し、そしてそのハサミを素早く振り下ろす!!



 するとッ!ハサミを振り下ろした部分の空中に歪みが生じた!


 その歪みは何故か!何故か何故か!!こちらに向かってきて俺の包丁を持つ手に直撃ッッッ!!!直撃した部分から血が出る!!


 まるで斬撃を飛ばしたかのような状況!こんな漫画みてえな事があるのか!?えぇおい!?


「うおおおおおお!!!!」


 俺は痛みで叫ぶ!!そして人質を離してしまった!!


「今だ!!くらえ!!下駄占いシュートッッッ!!」


 そして!!もう一人の方!男子高校生の方がなんと!!自分の靴を高速で蹴り飛ばしてきやがった!!まるで!まるでストライカーが放つシュートのようにッッッ!!


 靴は俺の鳩尾に直撃!!!たちまち俺は気絶した!!














「前田ッ!!」


 オレ、鳴理金次郎は強盗の横にパタンと座り込んでいる前田に近寄る。


「う…うう……鳴理さん……私…怖かった……」


「おう、もう安心しろ!立てるか?」


「う、うん……」


 オレは前田に手を差し伸べ、前田はそれを掴み取ってる。

 オレは手を引っ張って立たせる。


「チッ、鳴理君に色目使いやがって……」


「おい内田……」


 内田がオレらに近づいてそう言う。オレは内田を睨みつけてしまった。


「う……ご、ごめん……」


内田はひどく落ち込んでいる。


「いや、オレも睨んで悪かった。もうそんなこと言うなよ」


「う……うん……」


ダメだ……相当ショックみたいだな。前田も結構怯えてるし、もし警察が来て事情聴取なんてのが来たら面倒い。なら、早くこの店から出るか。


「二人とも、早くこの店から出よう…警察が来て事情聴取されたら面倒いからな」


「「うん……」」


オレはテンションがバカ低い二人を連れて即座に店を後にした。

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