EP2 いつか再会する君へ

 サダくんへ


 あの事件から、そしてサダ君がいなくなってからだいぶ経ってしまいました。

 元気でやってるかな? 元気だといいな。


 わたしはというと、目が覚めた頃には夏休みがもう始まってて、何とか自力で起きられるようになった頃には夏休みが終わってて、治療とかリハビリとかその他色々経て何とか日常生活を送れるようになった頃にはもう冬休みに入りそうになっていました。

 学校に通えるようになるのはもう少し先かな。

 留年して二年生をやり直すのは確定しちゃってるけど、今のクラスに未練はないから別にいいかなって。修学旅行も行けてなかったし。


 わたしが寝ている間に、スマホにグローリー6のみんなからの通知がいっぱい来てました。

 まなやんも、ふーちゃんも、なごみちゃんに怜ちゃんもヒナちも、すごく謝ってた。

 ひどい事を言ってごめん、傷つけてごめん、気付いてあげられなくてごめん、何も出来なくてごめんって。

 わたしも色々迷惑かけてごめんって言ったら、みんなして「謝らないで」って言うものだから何言っていいのか分からなくなっちゃった。


 ただ、この事を直接サダくんに話す事が出来ないのが悔しくて、とても悲しい。

 目が覚めた時、ちゃんとお別れしないままサダくんがいなくなった事を知って、すごく泣いた。

 チャットアプリのアカウントも消されてて、どうにかならないか調べたけど、ダメで。

 その後、私の荷物の中にサダくんが残してくれた手紙がしのばせてあるのを見つけた時は、すごく嬉しかった。嬉しすぎて結局いっぱい泣いたけど。


 サダくん、この事件は色んな事があったけど、わたしはサダくんを恨んでないよ。

 むしろ君に助けられてよかったと思ってる。

 あの変な世界で、ひとりぼっちで耐えられなかったわたしを、最悪、自業自得だと責められて切り捨てられても仕方なかったわたしのことを理解してくれて、味方になってくれたから。


 不思議だよね。わたし達実際は数えるほどしか会ってないのにね。


 これから先の事は分かりません。

 さっきも書いた通り、学校に復帰するのもいつなのか正確に決まってないし、サダくんもみんなも毎日頑張っている中、わたし一人だけ取り残されて、不安と焦りでどうにかなっちゃいそうな時もあります。


 でも、でもね。

 もし元気になったらやりたい事が一つあります。

 それはまた君に会う事です。

 どこに居るのか分からないし、手がかりも全くないし、ひょっとしたらこれっきり会えない可能性もあるけど。

 それでもちゃんと君に会って、この手紙を渡して、ありがとうって言いたい。

 だからその日がくるのを信じて、わたしは頑張る事にします。


PS

 そう言えばサダくんが言ってた歌い手のTACK-MEタクミのことなんだけど、どっかで聞いた事ある歌声だと思ったら、なんとふーちゃんの事でした。

 本人にそれ言ったら発狂して突っ伏しちゃったけど。

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