第5話 ピンチの仲間を助け出せっ!

 「何、、、起こったの、、、?」

 土煙が蔓延する神殿中心部。地鳴りによって中心部は、かなり建物が崩れている。

 「、、、え、、、。何これ、、、」

 呆気に囚われていた。

 三成(みつな)は、何が起こったのか、わからなかった。

 「グギャルルルルぁぁぁぁ、、、、、、!」

 低く、この世のものとは思えない呻き声が、頭上から聞こえた。

 見上げると、そこには。

 「、、、、、、え?、、、、、、、、、え?」

 巨大化したスライムが、スライムの粘液?に似合わぬ化け物ような大口を開けていた。

 「、、、あ、、、。、、、ああっ、、、」

 逃げることも、できなかった。

 足が空くんで、立つことができない。立って逃げることができない。

 死を、彼女は覚悟した。

 (因果応報とは、このことなのか、、、自業自得すぎて、、、笑えるな、、、)

 三成が、希望を失った瞬間だった。

 「荒川から、ハァッ、、、ハァッ、、、離れろや、、、このスライムがァァァ!!!!」

 沖田が、その声とともに、スライムに一撃をぶちかました。

 その攻撃が、効いたのか。

 スライムの標的が、三成から沖田へ変わる。

 「逃げて、沖田君!!!!」

 そんな三成の叫びも間に合わずに、沖田の方にスライムが向いた。

 だが、その瞬間。

 沖田が、最初から手に持っていたであろう、細かくなった瓦礫を、スライムに向かって投げつけた。

 「ぎゃああああああっ!!!!」

 断末魔をあげるスライムの隙をつき、沖田は足に力が入らないで、座り込んでいた三成に近づいた。

 「沖田だけでもいいから、、、逃げてよ!」

 そう言う三成な目尻には涙が。

 声は少しだけ震えている。

 「声震えさせてバンビみたいに震えてる仲間のことおいて、1人で逃げれるかっての」

 「、、、えっ?」

 沖田は、すぐに三成の手を引いてその場から離れた。

 直後。スライムの触手が三成の座り込んでいた場所に攻撃をする。

 そして、沖田は三成をつれて、神殿内を逃げた。

 「、、、沖田、、、!」

 「ああ?」

 沖田は、三成の顔を見ない。

 「その、ありがと。、、、ごめん。私のせいで、、、」

 「別に。起こっちまったことに対して、今気負うんじゃねぇ。無駄すぎるだろが。」

 三成の、沖田に対する印象が良くなった。

 話しかけづらい苦党の変な人、、、という印象だったが、意外とそうじゃないのかもしれない、と認識を改めた。

 (こいつは、ただ不器用なだけなのかも知れない、、、。不器用なだけで)

 

 「リクオ君、近いよ!敵」

 「了解です、駿裏さん、リライジング・リボーン、、、俺らの敵を見たらまずは攻撃してくれ!」

 リクオの命令に、不死鳥、リライジング・リボーンはこくりと頷いた。

 「双剣、、、召喚!」

 駿裏が、双剣を取り出した瞬間。

 スライムが見えた。

 「!」

 リクオが驚くと同時に、リライジング・リボーンが、炎を口から吐いた。

 スライムがそれに気づき、触手を出して防御しようとする。

 「させないよ。防御なんてさせるはずがないさ。」

 だが、駿裏のその一言とともに、触手が細切れになった。

 双剣の刃を握った駿裏が、いつの間にかスライムに向かって特攻していた。

 「駿裏さぁぁぁぁん!?何を、、、」

 「大丈夫だよ、俺死なないから、さぁっ!!」

 さらに双剣を、振り回す。

 触手の根元を、駿裏は切った。

 「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」

 断末魔をスライムがあげる。

 すると、スライムの体が分裂し、小さなスライムが生まれた。

 だが、スライムが分裂すると同時に、リライジング・リボーンの炎に、スライムの身が焼かれた。

 小さいスライムが、ごおおっ!という音を鳴らしながら、何体か燃えた。

 だが、奴らの憎悪は燃え尽きない。

 炎よりも、熱い憎悪が。

 燃え盛りながら、スライムは駿裏に向かって一斉に飛びかかった。

 「駿裏さんっ!!」

 リクオが、ほぼ悲鳴のような叫び声を反射的にあげた時だった。

 いきなり、スライムたちが吹き飛んだのは。

 「「!?」」

 一体何事なのだろうか!?

 2人は、スライムたちを吹き飛ばした者の方を見た。

 「君たちみたいな低級モンスターが、僕のお気に入り君たちに、手を出すんじゃない

よ。」

 ひどく、聞き惚れる声が、あたりに響いた。

 その男は、実に怪しかった。

 黒一色のスーツに身を包み、髪の毛も黒色。目は、宝石のように爛々と輝く赤色、、、。

 声は高い知性と、確かな狂気が入り混じったかのような、、、。

 「ウギャアアアアアアアアアアアア!!」

 スライムたちが、一斉に威嚇する。

 あたりを、凄まじい音圧が支配した。

 鼓膜が破れる。

 それくらいの、圧が。

 「うわっ!!うるさ!?」

 リクオが、うっかりそう口に出してしまうほどのうるささだった。

 だが、その男はぴくりとも表情を変えない。それどころか、にやりと口角を上げた。

 「君たちみたいな低級モンスターが僕に抗ったって、無駄だよ?、、、無駄に決まっているだろう?」

 満面の笑みとともに、男はスライムを内側から爆散させた。

 「は!?」

 「、、、!?」

 スライムたちの粘液が、あたりに散らばる。そして男は、呆然としている2人に挨拶をした。

 まるで、執事のような優雅さで。

 「初めまして。僕の名前はナラ。ナラ・ナイトメア。最強って言われてる悪魔族の序列第一位です、よろしく」

 2人は、絶望した。

 リクオに至っては何がなんなのかがわからないが、醸し出される雰囲気で絶望をした。

 悪魔。

 この異世界、グラングウェイルのありとあらゆるモンスターの中で、最強を誇る種族。

 あまりの強さに、悪魔の中でも純血種は、各世代10体ほどしかおらず、10体を超えてしまうと異世界が、とんでもないことになるとか、ならないとか、、、。

 それを以前から知っていた駿裏は、双剣で、攻撃をした隙に、なんとかしてリクオを逃げる算段を、考えていたが、、、。

 敵は、それすらも見透かしていたかのような口ぶりで駿裏に、話しかけた。

 「君は、召喚士くんのお友達ってやつ?」

 「、、、だから」

 「僕は、君にはあまり興味ないから何も行動しないでくれていいかな?邪魔だからさ。」

 言葉一言一言に、圧が込められていた。怒号を発しなくても、相手を完膚なきまでに叩きのめす圧が。

 「俺たちに、、、何しにきたんですか!」

 恐怖を必死に、振り解こうとするリクオの方を、ナラは見た。

 そして。

 「あははっ!やっぱ僕人間が好きだぁ、、、。大好きなんだなぁ、人間ってやつが!さいっこうだよ、召喚士くん」

 (イカれている。なんであんなに快感に歪んだ顔をしているんだよ、気持ち悪い!)

 リクオは、反射的に。本能的に、ナラに引いた。

 「ああ。大丈夫だよ、僕戦いに来たわけじゃないからさ。」

 ナラは、はははっと笑いながら言うが、信用などできるわけがない。

 この状況をどうしようか、、、と、リクオが思っていた時だった。

 重くなっている空気に、2人がやってきたのは。

 「リクオ!!無事だったんだ、良かったぁ!」

 「、、、リクオ。お前の隣にいるそのスーツの男は誰だ?」

 荒川三成と、沖田総司だ。 

 「!?」

 予想外すぎるタイミングでの、予想外な奴らの登場で、リクオ・駿裏に、衝撃が走った。

 このままじゃ、2人は殺される、、、!

 リクオと、駿裏の脳裏をこの一言が、駆け巡った。 

 まずい、、、と思い、リクオと、駿裏が行動を開始しようとした瞬間、再び現れた白髪の少年に、止められた。

 「動かないでくださいね、2人とも。、、、あの人の命令には従いたくありませんが、これでも僕は、あの人の下についている悪魔ですから」

 少年は、黒の鉱石でできたナイフのようなものを、2人の喉元に、当てる。

 「っ!」

 「、、、!」

 沖田、三成が、反射的に反応するが、白髪の少年、司によって遮られた。

 「ナラさん。、、、ここにあと少しで、第6位、アミル・ヴァレスト様が参られます。、、、一旦ここは引いたほうがいいんじゃないですか?」

 「えー?なんでぇー?あいつ僕よりも弱いじゃん」

 ナラがそう言った瞬間神殿内に、リクオたちが、通ってきたのとそっくりな魔法円が、黄緑色の光を発しながら出現した。

 「げっ、、、。来ちゃった、、、。」

 「あとは、アミル様に任せますよ、こんな変態悪魔。」

 「上司に対して、そんなこと言えるのすごいねぇ?司ちー」

 「一回死んでください、不愉快です。」

 司は本気でナラのことを、嫌っているようだった。

 そして、魔法円から、アミル・ヴァレストが、現れた。

 一言で、言うと中性的な顔立ちだった。

 前髪は長く、後ろ髪は腰くらいまである。腰まである髪を、背中の真ん中くらいでひとまとめにまとめている。

 髪の色は、桃のような色をしたピンク色であり、華やかな印象を受ける。だが、服装は、中華風の服で、ノースリーブ。ズボンは薄皮でできたかのような、、、。

 服装と髪のギャップが、凄まじい。

 そしてアミル・ヴァレストが、口を開いた。

 「貴様、、、!また勝手に動きやがってっ!!世界一美しい僕が、またお前のせいで雑用係みたいになってるじゃないか、このマイペース!マイペースやろう!!」

 「ナルシストくんに言われたくありませーん」

 ナラが、アミルを煽った。

 「なんだと!?貴様ふざけるなよ、僕が、ナルシストだと!?僕はナルシストなんかじゃない、僕は僕の美しさを、周囲にアピールしているだけだ!PRしているだけだぁ!!」

 「充分ナルシストじゃないか?」

 ギャンギャン犬のように吠えているアミルは、ふとリクオ・駿裏・沖田・三成の方を見た。

 そして。

 「初めまして。僕は、アミル・ヴァレスト。純血悪魔の序列は、第6位。僕世界一美しくて、輝いてるから。よろしく!」

 全員が、同じことを思った。

 ((((なんだ、こいつ、、、!))))

 ナラが、口を開いた。

 まるで、おふざけは終わりと言うかのように。

 「邪魔が来ちゃったけれど、話せて楽しかったよ、召喚士くん!」

 ナラは、司・アミルと共に魔法円の上に立った。

 「じゃね」

 ひらひらーと手を振った後、ナラ・司・アミルの3人の悪魔が魔法円を通して、瞬間テレポートをした。

 神殿の中には、静けさが訪れた。


 

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