第7話 宿敵と共に妖精国に来ちゃったよ。
このアリスフィアというオープンワールドRPGエロい百合ゲーの世界はかなりのやり込み要素があるゲームなんだ。
昔からあるエロゲー特有のノリで何でもありの闇鍋ゲームとか言うゲーム批評家もいたけど。僕はそう思わない。
ジョブを使った多彩なモンスターとのエロい戦闘システム&戦闘シーン。
攻略可能な百合ヒロインの豊富さ。
オープンワールド故の広大なステージを移動出来たり。
キャラが濃い登場人物達に繰り広げられる濃密な各ストーリー、ルート、ニャンニャンシーンとかも最高なんだ。
そして、そんな戦闘から女の子達による濡れ場シーンもある何でもありなこのゲームには幾つかあるアリスフィアとは違う小さな別世界に行ける隠しイベントがあるんだ。
その隠しイベントの一つが
……それにしてもエレインとエロイン(エッチなヒロインの略称)って発音がにていて何だかエッチな国を連想しちゃうね。デュフフ。
ああ、勿論。この小さい異世界にも成長したアレクシアと恋に落ちてちゃんとニャンニャンするヒロインちゃん達が居るから安心してね。デュフフ。
「……デュフフ。とくに水妖精のメリュジーヌちゃんとの恋仲ルートが至高なんだよね~、湖でのニャンニャンシーンときたら。もう……」
そんな生前のゲームプレイを思い出しながら気持ち悪い笑みを浮かべていると。僕の後ろを歩くアレクシアが頬を膨らませて不機嫌そうに語りかけて来た。
「シン君……さっきから私以外の女の子の事考えるでしょう? 駄目だよ。シン君は私だけを見ていないと駄目なの」
「はい? え、ええっ! 勿論ですよ。僕はアレクシアが一番の最推しなんですからね。生前はアレクシアのエッチなグッズも大量購入していましたから」
「……エッチなグッズを大量購入?」
おっとっ! ついアレクシアの機嫌を悪くなったとさせてしまったと思いテンパっちゃたよ。
口をポカ~ンと開けてフリーズしてるし。〖シン君。何を言っているんだろう?〗って表情をしているね。これはなんとか誤魔化さなくちゃね。
「僕なんかよりもアレクシアにはいっぱい好い人が現れますよ。レイラちゃんとかレイラちゃんとかレイラちゃんとか」
前世での《乙女達は男装乙女に恋をします》のゲームにおいてアレクシアとレイラちゃんはベストオブ百合カップリングとして。
キャラクターカップリングランキングでソフト販売から18ヶ月連続堂々の一位に輝いている程。2人の百合カップリングはユーザーから絶大に指示されているんだ。
なんでも最後にやられる
「レイラちゃんはお友達なの。わたしはシン君じゃないと駄……」
「ゴブゴブ~!」
アレクシアが何か叫ぼうとしていたけど。その前にゴーブ君が僕達に手招きしながら。〖マブダチ~! こっちこっち〗って呼んでいるね。
「了解です。ゴーブ君~! 今いきますよ~! アレクシア。ゴーブ君が待っていますから急ぎましょう」
「……うん。分かった。シン君……」
「はい? 何ですか。アレクシア」
アレクシアは低いトーンで僕に語りかける。
「私と一緒に居る時は私だけを考えて……じゃないと首チョンパって言うのシン君にしちゃうからね。分かった?!」
「……首チョンパ」
おう……この銀髪ロリっ娘はなんて恐ろしい死亡フラグを僕に言うんだい。それに何でさっきからこんなに機嫌が悪いのさ。全く。
「わ、分かりました。アレクシアと居る時はアレクシアのことばかり考えますよ。貴女は僕の最推しなんですからね」
「最推し?……良く分からないけど。そうしなさい……シン君は私の大切な人なんだからね」
顔を赤らめながらそう告げるアレクシア。成る程。貴方はまな板の上の鯉。つまり貴方の命は私がいつでも狙っているという忠告なんだね。
なんて事だい……今度からはもっとアレクシアに気を遣って。殺されない様にしなくちゃね。
「畏まりました。僕はアレクシアを一生大切にしていきますよ」
僕は最推し《アレクシア》にそんな嬉しい事を言われたのを誤魔化すかの様にそう告げた。
「……うん。(大好きだよ……シン君)」
「ゴブゴブー!!」
「おっとっ! ゴーブ君が待ちくたびれていますね。今度こそ本当に急ぎましょう。アレクシア」
「あっ! 待てっ! シン君~!」
僕はアレクシアの右手を引くとそのまま急いでゴーブ君の元へと走って行った。
◇
ギィィ────ガチャッ!
謎の扉を潜るとそこはセイフライド領地とは全く異なる神秘的な場所だった。
純白のお城。街らしき場所には多種多様な亜人達が市場を開き商いをし。巨大な湖が広がっていた。
「これはなんと……まるで杖と魔法のあの映画みたいな場所ですねここは」
「見て見てっ! シン君。綺麗なお城だよ。素敵だね~」
アレクシアの方が綺麗で素敵ですよ……なんて言ったらまた首チョンパすると言いかねられないので言うのは止めておこう。
「おや? ゴーブじゃないか? それと……人族の子供達か? まさか喰う気なのか?」
「ゴブブー!!」
「わーっ! 冗談だよ。怒るなって……女王様に謁見させるなら城行きのあの船に乗りな。しかし人族嫌いのお前が人族の友達を連れてくるとは驚いたよ」
「ゴブゴブ////」
「マブダチ?……まあ、なんにせよ。楽しんでってもらいな。ここは夢の国なんだからよ……後、念の為、仮面を付けさせておけ。面倒事に巻き込まれないですむからな」
「ゴブゴ~!」
ゴーブ君はドワーフみたいな人と話を終えると僕達の元へと変な仮面を持ってやって来た。
「ゴーブ君。あれってもしかしてドワーフ族かい?」
「ゴブゴブ!」
「へ~、妖精国の門番なんだ。それとそれは……『妖精の仮面』かい?」
「ゴブ~!」
『妖精の仮面』これを
たしか生前のゲームプレイ時。
あのルートでのアレクシアは隠し攻略ヒロインのメリュジーヌに身ぐるみを全て剥がされて。
「シン君。また別の女の子の事考えてるでしょう?」
冷たい視線のアレクシアが僕のお腹をツンツンしたらね。危ない危ない。ロリっ娘アレクシアの筈なのにやたらと鋭いね。この娘。
「ア、アレクシア。仮面をどうぞ。これを付ければ女王様以外の妖精からは僕達が人間である事が隠せるとゴーブ君が言っていました。ちゃんと付けないと駄目ですよ」
「う、うん。分かった。シン君が言うならちゃんと付ける」
アレクシアは僕から仮面を受け取ると直ぐに顔へと装着し。それを確認した僕も『妖精の仮面』を付けた。
ゴーブ君の案内でゴンドラの様な小舟に乗り妖精国中に張り巡らされた水路を経由して女王の城へと移動し始めた。
◇
《妖精の街》
「お~! ゴーブ! お客様かい? 珍しいな」
「ゴブゴブ~!」
「ゴーブちゃん。お腹空いてないかい? 何か食べて来なよ~!」
「ゴブゴ~!」
「ゴーブ。外の世界で何か拾ったか? 珍しい物なら買い取るぞ」
「ゴブゴブゴ~!」
小舟をゴーブ君が
「なんか。ゴーブ君。凄く人気者だね。シン君」
「妖精国の国民の皆さんは仲良しなんですよ。皆温厚でお優しい方々ばかりなんです……一部の変わり者を除いてですが」
「一部? 」
「はい。一部です」
その変わり者全員。
街中の水路を進んで行くと扉を出た時に見えたお城が目の前に見え始めた。
「うわ~! 近くで見ると本当に綺麗なお城だね~」
「一部のゲームユーザーからは主人公専用ラ○ホなんて比喩表現されてましたけどね」
「ラブ……何?」
「ゴブゴブ~!」
ロリアレクシアの口からラ○ホというとんでもないワードが飛び出す前に。ゴーブ君の元気な叫び声がお城の前で響き渡った……危ない危ない。銀髪ロリ美少女の口からラ○ホなんて言葉絶対に言わせちゃ駄目だよね。
「ゴーブの帰還だ。開門~!」
その叫び声と共にお城の大きな水門が少しずつ開いていった。
◇
《女王の間》
パ~! パッパッパ~! パラ~! パッパッパッパ~!
「女王エレイン様。ゴーブ殿とそのご友人達をお連れしました」
「ゴブゴブ~!」
開け放たれた水門を潜るとお城の兵士さん達が楽器を演奏しながら僕達の入城を
「まあ~! ゴーブ。お久しぶりてすね。それと……そちらは人族の方ですか?」
綺麗な桃色の髪に。ロリ体型。小さな羽を生やした女の子。この小さい
「あの女の子の事考えたら首チョンパ……」
アレクシアが僕のお腹をツンツンしながら低いトーンで忠告してくる。何この娘怖いんだけど。
「………始めまして。エレイン女王様。これは細やかながの贈り物です。お納め下さい」
僕は必要最低限の口上と動作を行い。顔面を床へと
強い者には逆らわず巻かれろってね。これま弱者の生きる知恵さ。ゴマをするよ。摩擦し過ぎで手から火が出るくらいまでゴマをするよ。
アレクシアに首チョンパもされたくないしいね。
「まぁ、これはご丁寧……に? これは私の大好物のパインタルト?! それもこんなに沢山」
「収納魔道具に入れて置けば腐る事もありません。ご安心下さい……それとお城の皆さんにはお父様のワインセラーからパクってきたワインをお土産に御持ちしました。それから城下町の国民の皆様にも様々なお土産もございます」
エレイン女王とこのお城の人達の好みは生前のゲーム知識で知っていた為。もしもゴーブ君に妖精国を案内された際はいつでも渡せる様に収納魔道具にしまっておいたんだ。
後は外の
「こ、こんな。貴重な品々を下さるなんて……御礼として貴方方には私の加護を授けましょう。何が授けてほしい加護はありますか」
よしっ! 僕はこの時を待っていたんだよ。
「はいっ! 『相思相愛の加護』を授けて下さい」
『相思相愛の加護』この加護を授けられた者は誰かと結ばれるまで絶対に死ぬ事がないアリスフィアの世界においてチート級の加護なのさ。
これでアレクシアに首チョンパされそうになったとしても『相思相愛の加護』が発動して首チョンパという事象は発生する事はないんだ。
これで僕の死亡フラグ%率はかなり低くなったと思うんだよね。
「畏まりました。『相思相愛の加護』ですね……その隣可愛らしい方は何になさいますか? 加護の一覧を魔法でお見せしますのでお選び下さい」
エレイン女王は杖をどこからともなく取り出すとヒューンショイっと手を動かした。するとアレクシアの前に魔法事典の様な物が現れた。
………ていかあれ。伝説のチートアイテムだよね? 良いな欲しいな。絶対欲しいなぁ。今後の人生に絶対に役に立つじゃん……………
「えっと……じゃあ『添い遂げの加護』を下さい」
「はい。畏まりました……良い加護をお選びになりましたね……では貴重な贈り物を贈って頂いた御二人に御礼の加護を授けます。フルール・サリアス……」
それがエレイン女王が加護を授ける時の詠唱だった様で。詠唱が終わると同時に春風の様な心地良い風が城中に舞い上がった。
その風が終わったと同時に身体の中の心臓が1度だけドクンッ!って反応した。
……うん。感じるね。僕の中に『相思相愛の加護』が宿った。これで誰かと添い遂げるまでは絶対に死ぬ事が失くなったね。
そして、アレクシアが授かった加護は『添い遂げの加護』で………アレクシアが授かった加護は『添い遂げの加護』で?
……ああ。そうか相思相愛になる予定のレイラちゃんと最後まで添い遂げられる様にその加護をチョイスしたんだね。納得したよ…………まさか僕と? いやいや。そんなわけないよね。全く何を期待してるんだか僕は馬鹿だな~、ハハハ!!
「加護の授けも終わりましたし。今日は国を上げての
「はっ! エレイン女王様」
「ゴブゴブ~!」
エレイン女王の命で僕達を歓迎する宴会が始まり。僕達は数時間の間楽しい一時を過ごした後。
お城まで乗って来た小舟に乗って元来た水路を辿った後、ドワーフさんと出会った扉を通って元の
「ゴブゴブ~!」
「楽しかったね。シン君」
「ええ。本当に……アレクシア。あの……」
「ん? な~に? シン君」
「……いえ。何でもありません。屋敷へと帰りましょうか。アレクシア。お送りします」
あの『添い遂げの加護』は誰を思って授けてもらったですかなんて聞けるわけがない。
この娘が僕の事を好きなんて奇跡絶対に起きるわけがない……絶対に起きるわけがないんだよね。なんて事を静かに考えながら僕はアレクシアを抱き抱えながらレッド君に乗りセイフライド家の屋敷へと帰って行った。
「キャラララ~!」
後、そういえば妖精国に通じる
《
『ギャオオオオ!!』
「「「アレクシア様~! どこに行ったんです~! ていか。誰か助けて下さい~!」」」
「「ギュオオオオ!!」」
「「「キャアアア~! 騒いでごめんなさい~!」」」
◇
《妖精国 お城》
「………ありませんね」
「あれ? 女王様どうしたの?」
「メルですか。いえ……私の魔道書『妖精祭典』がどこにもないのです」
「………それ盗まれたんじゃないの? 誰かにさぁ……例えば今日来た外の世界のお客様とかさぁ」
「いえそんなわけありません。あの方達は清い心の持ち主でしたので」
「……いや。メチャクチャ怪しでしょう。まぁ、良いよ。私が行って確めて来るからさ。この水精霊メリュジーヌちゃんがね。あの可愛い女の子には興味があるんだぁ。ニヒヒ!」
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