にゃんこメイドはご主人様に恩返しがしたい!~その先に待ち受けていたのはふわもふに甘やかしてくれる極上ライフ~

黒猫鈴音

第1話 帰宅したら飼い猫が美少女メイドさんになっていました



//SE 家のドアを開く音


//SE 家のドアを閉める音


//SE 部屋の奥から急いで駆け寄る足音


//SE 小さな鈴の音


「ご主人様っ! お帰りにゃさいませ~」


//SE スカートがはためく音

//SE 美少女が勢い良く主人公に飛びついてきて、主人公は尻餅をつく


//SE 衣擦れの音


「ふへへ。ご主人様驚いた顔してるにゃ。」

 (声の距離近め)


//SE 衣擦れの音(主人公は驚いて咄嗟に少女を押し退ける)


「……っ! ……誰って? 見ればわかるにゃ! この茶色のもふもふした耳。美しい毛並みの尻尾!」


「ご主人様のペット。猫のムギだにゃ」


「……えっ! コスプレ痴女の空き巣!? ストーカー!? 違うにゃ! ムギだにゃ!」


「嘘じゃないにゃ! 信じて欲しいにゃ! 神様にお願いして人間に近い姿にしてもらったんだにゃ!」

 (必死に訴える)


「ふぇぇ。これだけ言ってるのに、まだ信じてもらえないにゃ……」

 (泣きそうになりながら)


「……ムギだと分かる証拠? ……それならこの鈴を見てほしいのにゃ!」


//SE 強調した鈴の音


「ご主人様がつけてくれた鈴つきの首輪にゃ! ちゃんとご主人様の字で『ムギ』って書いてあるのにゃ」


「ふぇっ!? なんで人間が猫用の首輪つけれてるのかって……。そ、それはっ……神様がどうにか長さを調整してくれたんだにゃ!」


「えっ、動揺してて怪しい? まだ信じられにゃい!?」


「うぅぅ。……この耳と尻尾が本物だって証拠? それなら実際に触って確かめてみてほしいのにゃ」


//SE 猫耳にそっと触れる主人公

//SE ピクピクと勝手に動く猫耳

//SE 尻尾の柔らかい感触


//SE ぎゅーっと尻尾を引っ張る


「ふぇぇっ。そこは敏感にゃ! 強く引っ張っちゃダメにゃ~~~」

 (涙ぐむ)


「ご主人様ぁ。本物だって信じてくれたかにゃ?」

 (上目遣いで尋ねる)


//SE 耳をピクピクさせる音


「……どうして人間の姿になったのか? それはお星様にお願い事をしたからだにゃ。人間になってご主人様に恩返しがしたかったのにゃ」


//SE 流れ星が流れるキラキラな音


「今日は100年に一度の流星群の日にゃ。神様が特別にムギの願いを叶えてくれたんだにゃ」


「ご主人様は半年前に、傷だらけでボロボロになっていたムギを拾ってくれて、治療までしてくれて、美味しいご飯をくれたから……。その恩返しがどうしてもしたかったんだにゃ」

 (優しい声音)


//SE 鈴の音

//SE 衣擦れの音

 (そっと主人公に抱きつく)


「人間の姿になって、こうやってご主人様に触れることが出来て幸せににゃ……」

 (幸せを噛み締めるように。声の距離は近め)


//SE じんわりと伝わる体温と鼓動


「ん? ご主人様! なんだか顔が赤いにゃ! ……もしかして熱でもあるのにゃ?」


//SE ムギの額が主人公の額にくっつく


「よかったにゃ。熱はないみたいにゃ。」

 (息がかかるくらいの近い距離で)


//SE 衣擦れの音

 (主人公は慌ててムギを押し退ける)


「えっ……? 体が小さくてふわふわな毛並みの猫の姿の方が安心して癒される……? って、ご主人様ぁぁぁ。そんなこと言わないでほしいにゃ~」

 (ショックで涙ぐむ)


「ほらっ! よく見てくださいにゃ!」


//SE 衣擦れの音。勢い良く立ち上がるムギ


「この可愛いメイドさんの服装! 神様がご主人様の趣味を把握して準備してくれたにゃ」


「顔も髪も体型も、ご主人様の好みで理想の女の子にしてもらってるんだにゃ!」


//SE その場でくるっと回るムギ。

//SE スカートがはためく音。


「それに、ご主人様がお気に入りの、このふわふわの耳と尻尾だってちゃんと残してもらってるにゃ」

 (鼻を鳴らすように自慢げに)


「ふふっ。否定しないところを見ると、やっぱり見た目に関しては大丈夫そうだにゃ」


「……でも、まだその様子だと、ご主人様は人間になったムギに警戒心があるように見えるのにゃ」

 (耳を垂らしてしゅんとする)


「確かに……。急に飼い猫が人間の姿になっていたら誰だって驚くし、信じてはもらえないにゃ……」


「でもこれだけは信じてほしいのにゃ……。ムギはご主人様の事が大好きで、今まで優しくしてくれた分の恩返しをして、ご主人様に喜んでほしいだけなんだにゃ」


「……それにね、安心してほしいのにゃ。この姿になっていられるのは二十四時間だけ。神様との約束で、二十四時間が過ぎれば、ちゃんと元の猫の姿に戻ることになってるのにゃ」


「だからその時間だけ、ご主人様を癒すメイドさんになりたいのにゃ。ご主人様はいつもムギに優しくしてくれてるから……。お願いだにゃん?」

 (上目使いでおねだりするように)


「……っ!! ほんと? やったにゃん! ご主人様、許可してくれてありがとう! 大好きにゃ!」


//SE しゃがんで主人公に抱きつく


//SE 主人公の左頬にムギの左頬が擦れる


「あっ、猫の時の癖がどうしても出ちゃうにゃ」

 (左耳にささやくように)


「ふふ。二十四時間分、これからたっぷりご主人様をおもてなしして、たっっっくさん癒してあげるにゃ。ムギのご主人様への大好きをいっぱい届けるから、覚悟しててほしいのにゃ」

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