クラレンドとマリーゴールド
年明け早々、我々にニュースが舞い込んだ。
日本の首都、東京都のとある芝生広場にとんでもない光量が現れたらしい。そこにあったのは、基礎的な術式、魔力を光に変える術式と、短い髪の毛1本。その髪の毛こそが魔力の源だった。本人からから切り離された体一部に宿るのは魔力の残滓だけだが、それでもとんでもない魔力量ということだ。
術式が書かれていたのは、マリーゴールドというオレンジの花を印刷した紙。指紋は検出されておらず、髪に毛根が付いていないので、DNAという個人特定ができる成分も検出できないとのこと。
当然、センの関与が疑われた。
そのニュースが我々に入ってきた時、千春氏がスマホでさっと調べて言った。
「マリーゴールドの花言葉は『勇者』『健康』ですね」
「それでは……センは無事なのか?」
檜山氏が言った。
「無事は知らせたいけれど、名乗り出たくはないと言うことではないでしょうか。指紋もDNAも、隠す意図がなければ隠せませんから」
サーボが拳を突き上げて喜んだ。
「やったじゃん! 生きてるよセンの兄貴! 元気出しなよクラレンド!」
ティースタが眉をひそめた。
「でも、僕たちには会えないってこと?」
フィーユは「なにか理由あるのかな……」とつぶやいた。
私は言った。
「センは生きている、健康に。それは言えるだろう。けれど……我々と会うことはできない、と」
センは健康で、ちょっとした仕掛けもできて。けれど、名乗り出たくはない……。
私は少し安心したけれど、どうして名乗り出てくれないのか、どうして会ってくれないのかという気持ちは残ったままだった。
私は、こんなにもあなたに会いたいのに……。
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