第29話 冒険者ギルドと最強の女戦士

朝の穏やかな時間を、急な来訪者が破った。


「パラダイス・シティの管理者、佐藤真一殿はおられるか!」


立派な鎧を着た使者が、大声で呼ばわる。


「は、はい。私ですが...」


真一が恐る恐る前に出る。


「冒険者ギルド本部からの通達だ」


使者は巻物を広げた。


「佐藤真一殿を、パラダイス・シティ支部のギルドマスターに任命する」


「はあああ!?」


真一の驚愕の声が、街中に響き渡った。


* * *


「ギルドマスターって...俺、冒険者じゃないんですけど」


「問題ない」


使者はきっぱりと言った。


「この街には多くの実力者が集まっている。それを束ねる手腕を評価された」


「で、でも...」


「明日、ギルド本部から視察官が来る。それまでに準備を」


使者はそれだけ言って去っていった。


「どうしよう...」


真一が頭を抱えていると、エリザベートが近づいてきた。黒のタイトスカートから伸びる美脚が、朝日に輝く。


「面白いじゃない。やってみれば?」


* * *


「簡単に言うけど...」


「大丈夫よ」


セラフィーナも励ます。純白のワンピースが風になびき、白い太ももがちらりと見える。


「私たちがサポートします」


「そうそう!」


アルケミアも乗り気だ。紫のチューブトップが、興奮で上下している。


「ギルドなら、実験材料も手に入りやすくなる!」


「それが目的かよ...」


その時、街の入口から豪快な笑い声が聞こえてきた。


「ここが噂のパラダイス・シティか!」


* * *


振り返ると、そこには筋骨隆々の女戦士が立っていた。


赤い髪を短く切り、露出度の高い鎧を着ている。褐色の肌に汗が光り、鍛え上げられた腹筋が見事だ。


「私はバルキリー!最強を目指す女戦士だ!」


「また戦闘狂か...」


真一がため息をつく。


「聞いたぞ!ここには強い奴らがいるんだろ?」


バルキリーの目が、ギラギラと輝く。


「特に、元将軍のグレイブ!」


「俺か」


グレイブが前に出る。上半身裸の筋肉が、陽光を反射している。


「いいぜ。相手してやる」


* * *


「待って!」


真一が止めに入る。


「明日、ギルドの視察があるんだ。街を壊されたら困る」


「視察?」


バルキリーが首を傾げる。豊満な胸が、鎧の中で揺れた。


「実は、俺がギルドマスターに...」


事情を説明すると、バルキリーの目が輝いた。


「ギルドマスターか!それなら私を幹部にしろ!」


「は?」


「強い奴らと戦える機会が増える!」


バルキリーの単純な思考に、真一は苦笑した。


* * *


「まあ、人手は必要だし...」


「決まりだな!」


バルキリーが真一の手を握る。力が強すぎて、真一が悲鳴を上げた。


「痛い痛い!」


「おっと、すまん」


バルキリーが手を離す。


「お前、見た目より弱いな」


「普通の人間ですから...」


その様子を見ていたソフィアが近づいてきた。青い鎧が、凛々しく輝いている。


「私も幹部に立候補する」


「ソフィアも?」


「最強を目指すなら、ギルドは良い修行場」


* * *


結局、ギルドの幹部メンバーが決まった。


副マスター:エリザベート(事務処理担当)

戦闘部門長:グレイブ

訓練教官:バルキリー、ソフィア

医療部門長:セラフィーナ

研究部門長:アルケミア

情報部門長:リリス


「なんか、すごい組織になったな...」


真一が呟く。


「いいじゃない」


リリスが微笑む。黒のミニドレスから、白い太ももが覗く。


「やべー女たちのギルド。面白そう」


* * *


翌日、ギルド本部から視察官がやってきた。


「初めまして。視察官のクレアです」


金髪の美女が、きちんとしたスーツ姿で現れた。眼鏡の奥の瞳が、鋭く光っている。スーツの胸元が、豊満な胸でパツパツだ。


「ギルドマスター佐藤、でよろしいですか?」


「は、はい」


真一が緊張しながら答える。


「では、早速ギルドの状況を見せていただきます」


クレアが書類を取り出す。


「まず、メンバーの実力テストから」


* * *


訓練場で、実力テストが始まった。


「すげぇ...」


クレアが目を丸くする。


グレイブとバルキリーの模擬戦は、地面を削り、衝撃波を生んでいた。


ソフィアの剣技は芸術的で、ルナの暗黒魔法は強力だった。


「このレベルの人材が...」


クレアが興奮気味にメモを取る。


「医療体制も見せてください」


セラフィーナが治癒魔法を実演すると、クレアは感嘆の声を上げた。


「聖女直々の治療...贅沢すぎる」


* * *


「研究部門は?」


「こちらです!」


アルケミアが自慢げに薬品を見せる。紫のビキニトップから、得意げな表情が見える。


「回復薬、強化薬、解毒薬...」


「種類が豊富ですね」


「まだまだありますよ!」


クレアは最後に真一に向き直った。


「正直、驚きました」


「ダメでしたか...?」


「いえ、逆です」


クレアが眼鏡を直す。


「これほどの人材を集め、組織化した手腕...」


「見事です」


* * *


「では、正式にギルド支部として認定します」


クレアが書類に判を押す。


「やった!」


みんなが歓声を上げる。


「ただし」


クレアが真面目な顔になる。


「これだけの戦力があるなら、それなりの依頼も来ます」


「依頼...」


「時には、危険な任務も」


クレアの言葉が重くのしかかる。


でも、真一は頷いた。


「分かりました。みんなで力を合わせます」


「頼もしいですね」


クレアが微笑んで帰っていった。


* * *


その夜、ギルド設立を祝う宴会が開かれた。


「ギルドマスター真一に乾杯!」


「恥ずかしいからやめて...」


真一が赤面する。


「でも、似合ってるよ」


美月が優しく言う。白いドレスから、天使の羽が祝福するように輝いている。


「これで、もっと面白いことが起きそうね」


バルキリーが楽しそうに笑う。鎧から覗く褐色の肌が、酒で赤く染まっている。


パラダイス・シティは、新たな一歩を踏み出した。


やべー女たちのギルド。


きっと、前代未聞の冒険が待っているだろう。


次回予告:

「緊急依頼!古代遺跡から魔物が!」

ギルド初の大型依頼が舞い込む!

「この遺跡...なんか変よ」

古代の罠と謎の美女が待ち受ける!

第30話「古代遺跡とやべー女たちの大冒険」

いよいよクライマックス!

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