第47話 黒い怪獣
黒いレーザーが黄金竜の身体を貫く。
思わぬ攻撃に黄金竜は地面へ落下する。
御剣たちの後方から黒い怪獣と共にメイがやってくる。
おそらく黄金竜を攻撃したのはこの黒い怪獣と思われる。
黒い怪獣は黄金竜よりも一回り小さいが、黄金竜に負けない程の威圧感を放っていた。
黒い怪獣は黄金竜に一直線で駆け出す。巨体に似合わずその動きはとても軽やかだ。
起き上がろうとしていた黄金竜にそのまま殴りかかった。
黄金竜も応戦し始め、目の前では映画のような怪獣バトルが繰り広げられていた。
「ねぇアレほんとに中にコタローがいるの?」
「そうですよ」
あの黒い怪獣の中にはコタローが入っているという。
黄金竜との戦いが始まる前。
コタローは自分にしかできないことをしようと考えた結果、この黒い怪獣を生み出した。
外殻はメイのゴーレムでできていて、動力源と操作などその他全てをコタローが担っていた。
大きなゴーレムを作るだけなら簡単にできるが、その分外殻は脆く壊れやすい。
更に動かすには多大なエネルギーが必要とする。
その解決策がコタローが中に入ることだった。
毒液をゴーレム全身に行き渡らせることにより、ゴーレムの外殻強化、操作、そしてコタロー自身が動力源となることでこの黒い怪獣を操作している。
しかしコタローへの負担が大きく、戦闘できる時間は10分にも満たない。
それでもアカネたち遊撃組含め、他のメンバーがわずかでも休める時間を作ることができた。
それだけでも多大な貢献となっていた。
黄金竜とコタローこと黒い怪獣は激しい戦いを繰り広げていた。
黒い怪獣は軽やかな動きで黄金竜を翻弄する。
最初のレーザー以降大きなダメージを与えられていないが確実に黄金竜の体力を削っていた。
しばらくして黒い怪獣の動きが徐々に鈍くなってゆく。
どうやら時間切れが近づいているようだ。
先程まで躱していた黄金竜の攻撃も当たるようになっていた。
よろけながらも黒い怪獣は最後にまた黒いレーザーを黄金竜に放つ。
レーザーは黄金竜の片翼を焼き切ることに成功する。
そして黒い怪獣は力を使い果たし溶けるように消えた。
黒い怪獣の攻撃により片翼を失った黄金竜。
「野郎共一気に畳み掛けるぞ!」
アカネたちが黄金竜へ駆け出す。
「僕たちも続くぞ」
今まで後衛に徹していた御剣はじめとする騎士たちもここにきて前線に出る。
戦いは終盤へと向かっていた。
黄金竜の四方を囲み、ヘイトを分散させつつ攻撃をする。
空中戦を気にしなくてよくなったため、皆心なしか伸び伸びと戦っているように見える。
「コタローさんお疲れ様でした」
戦場から離れた場所でコタローとメイは戦いを見守っていた。
コタローは全力を出し切り、髪が真っ白。文字通り燃え尽きていた。
回復すれば元通りに戻るのだが、今から戦線に復帰するのは難しい。
メイも同じくあのゴーレムを作るのに魔力を使い果たしたのでコタローと2人で遠くに退避していた。
「おらぁ、どんどん行くぜ」
鬼人覚醒によりアカネたちの力はどんどん増していく。
「ホッ、ハッ、ヤーッ、当たらなければどうってことないぜ」
「フータ、遊んでないでちゃんとやれや」
「わーってるよ」
フータ、ボタンも調子が出てきたようだ。
黄金竜は時折ブレスを吐いたりと未だに力は衰えていないが、やはり空を飛べないのは大きな痛手のようで攻撃も回避も上手くいかずイライラしている様子だ。
アカネたちは順調に黄金竜にダメージを与え続ける。
黄金竜の動きは徐々に鈍くなっていくのがわかる。
「あと一息だ、野郎共気張れよ!」
攻撃を強めようとしたその時、黄金竜は最後の力を振り絞る様に咆哮をあげる。
全員の動きが止まる。
その隙をつくかのように黄金竜は包囲網を抜け出す。
「しまった、あっちにはコタロー君たちが」
黄金竜が向かう方角にはコタローとメイがいた。
最後にコタローたちを道連れにするつもりなのだろうか。
黄金竜は脇目も振らずコタローとメイにところへ向かってくる。
「あー、さっさと撤退すればよかったかな?」
「大丈夫ですよコタローさん、ほら」
「コタローとメイはやらせないよ」
黄金竜の前にリンが立ち塞がる。
背中には巨大な鬼の影。気力体力共に最高潮の状態だ。
「リン、やっちまいな」
「リン君、とどめは君に譲るよ」
「いけっ、リン」
「フィニッシュだ、しっかり決めろよ」
「コタロー、メイ、見ててね。はぁー!」
リンが刀を振り下ろす。
巨大な斬撃が黄金竜に迫る。
黄金竜は避けることなく真正面からそれを受け止めるが、既に耐えられる体力もなく斬撃は直撃する。
身体の半分以上を斬られた黄金竜は倒れその後消えた。
その場には巨大な魔石が1つ。
こうして樹海ダンジョン攻略は無事成功という形で幕を閉じた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます