第6話「星を忘れないように」

翼はスマホを置いて、深く息を吐いた。

投稿の反応がひとつ、またひとつと増えていくのを見つめながら、少しだけ胸が締めつけられる。


気づいてほしい。けれど、気づかれたらどうしたらいい?


彼女との再会は、思っていたよりもずっと自然だった。

言葉はぎこちなかったけど、笑顔は昔と変わらなかった。


でも、それだけじゃ足りなかった。


「またどこかで星を見にいきたい」

その言葉を彼女の口から聞ける日を、どこかでずっと待っていたのかもしれない。


机の引き出しには、一枚の古い写真があった。

嵐山の星空。ブレていたけど、隣には、笑っている彼女がいた。


あの夜、願いごとをしようと彼女が言って


自分はただ、隣で「願いごとなんて叶わないよ」と笑っていた。


けれど、心のどこかではずっと、願っていたのかもしれない。

“いつか、また会えますように”って。


その夜、翼は未送信のままだったメッセージをそっと開いた。



「あの時、ちゃんと話せばよかった。

 もしまだ、星を見にいきたいと思ってくれてるなら

 今度こそ、隣にいてもいいかな。」




送信ボタンに触れた指が、今度は迷わなかった。


ピン。


まるで夜空に小さな星が灯るみたいに、通知の音が静かに響いた。

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