第6話 新たな目標
「ふぁぁぁ」
私は大きなあくびをしながら目を覚ました。
そこは昨日私が寝ていた部屋だった。
「まあさすがにそうか」
目を覚ますと誘拐されていたなんていうグラジャーの組織とは少なからず違うということがこの寝起きのほんの一瞬で分かった。
私は花の匂い香る自分の部屋を出て、玄関の大広間へといった。
そこには昨日の夜と変わらず談笑をしている立場を超えた存在たちがいた。
みんなは私を見ると私が元グラジャーなんてことは気にもせず、にこやかに
「おはようございます」
と言ってくれた。
平和だ。人間の負の感情から生まれた怨念の集合どもとは思えないほど平和だった。
するとルートが私の後ろにいた。
「おはようございますエンラさん!」
「起きたところで悪いのですが、さっそくご用件があるのでついてきてくれますか?」
私はルートが本当に私に頼み事があるように感じたので、ルートの後ろについていった。するとルートはある部屋に入っていった。
そこには「作戦計画室」とドアに大きく書かれていた。
ルートは私を椅子に座らせた。
そこには大きな楕円形の机と、椅子が12個あり、その12個にい私を含め全員が座っていた。
椅子に座っていた人には私のような人間と、人間を模倣している森羅から、いかにもオーラを放っている森羅まで、怨念や人にかかわらず座っていた。
「さあ全員集まりましたね。」
ルートがいつもとは違い少し真面目な雰囲気で話し始めた。
「では今から話し合いますか。」
「日本政変 および日本国のわれわれ怨念協会の乗っ取りについて」
それは文字通り、日本国の政権を怨念協会が握り、怨念が中心となり日本を動かすというものであった。
「私たちの準備は整いました。」
「歴代最強の森羅、そして怨念の植え付けによる覚醒を成し遂げた者」
「今こそ政治の実権を私たちのものにするときです。」
私は少し驚いたが、その考えに対して批判はしなかった。むしろ少し賛成である。別に周りに森羅がいるから無理やり賛成しているわけではなく、この人たちなら現在の政府より良くしてくれると思ったからである。
「実行日時は明日の12時、政治の中心となる国会議事堂の襲撃を行います。」
「異論のあるものはおりますか」
もちろん異論の声は上がるわけもなく、会議はものの10分ほどで終了した。
だがこの10分で明日国会議事堂の襲撃が決まったのだ。
私はそう思い作戦会議室を出ようとすると、ルートに呼び止められた。
私はルートに怨念協会のアジトの外へと連れていかれた。
「今から何をするのですか?」
私はまだあの作戦のことで少し緊張していた。
するとルートはいつものような笑顔で、
「あなたに最初で最後の特訓をしたいと思います。」
正直私は嬉しかった。
明日の今頃にはもう国会議事堂を襲撃しているので、私ははやく強くなりたかったのだ!
「あなたは怨念を植え付けられ、それにより怨念のような身体能力と再生力を得ました。そしてさらにこの前のグラジャーによる誘拐であなたはさらなる怨念的に進化をしました。」
「あなたはもしかしたら「怨念の理」が掴めるかもしれません」
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