MoA:Rank28「vsブラインドスポット」

ごきげんよう、マイグラント。


次の相手は識別名“ブラインドスポット”。


あなたと同じ、パワードスーツを装着した歩兵であり、極端に軽量化された肉体に、生命エネルギーを注ぎ込んで圧倒的な機動力を確保した人物です。

連射性に優れた武器を好む傾向にあり、一対一の戦況においては極めて高い戦闘能力を発揮します。


以上となります。

シルヴィアは、あなたの働きに期待しています。
























 エンドレスロール 斯界の底

 目覚めるとそこは広大な沼地であり、前方には右腕にパルスマシンガン、左腕にレーザーマシンガンを装備した、こちらとあまり変わらない大きさ……つまり、通常の人間サイズの兵士が立っていた。

「……っ!?ギルドランキング九位のホワイトだと!?今日が命日か……!?」

 ブラインドスポットはこちらを視認すると同時に明らかに動揺しており、落ち着かないとばかりに足踏みする。

「いや、彼も生き物ではあるはずだ。攻撃を当て続ければ、いつかは死ぬ……!」

 呼吸を整えて武器を構え、ブースターを起動してこちらへ前進を開始する。

「あなたには死んでもらう、ホワイト……!」

 こちらも強化パイルバンカーの蒸気を上げながら基本状態に移行し、飛び退きながら右手の垂直二連アンダーバレルマシンガンを連射していく。事前の情報通り、ブラインドスポットは飛び上がりながら空中で素早く左右へブーストしてマシンガンから放たれる、実弾とレーザーを躱しながら、パルスマシンガンのトリガーを引く。球状のパルスがばら撒かれて前進していき、こちらが被弾する度に弾けて多少の衝撃を蓄積し、更に同時にレーザーマシンガンもやや命中率を犠牲にしながら連射してくる。こちらはパルスのブレを利用して斜め後方に距離を離すことを重視しながら、左肩から低速高追尾二連ミサイルを、右肩からシンプルな六連装ミサイルを斉射し、あちらが左肩からフレアを撒いてミサイルの誘導を欺瞞しつつ、出力に任せて接近し続ける。被弾を許容しながら威嚇代わりに強化パイルバンカーのチャージを開始し、ブラインドスポットは右手のパルスマシンガンのリロードを行いながら右肩のプラズママシンガンに持ち替え、弾幕を継続して展開しつつ、プラズマが地面で弾けることでこちらの被弾を増加させる。間もなくフルチャージした強化パイルバンカーを向け、ブラインドスポットが明らかに警戒したように距離を離しながら回避の頻度を下げ、だが減速したことで照準が安定しはじめ、なおこちらに弾幕を押し付けてくる。が、両腕の武装の弾倉が尽きた瞬間に反転し、全身のブースターを展開して全速力でこちらから離脱し始め、強引にリロードの時間を稼ごうとする。こちらも好機と見て右手のマシンガンのリロードを行い、全身のブースターを解放して追尾し、ある程度接近したところで停止しながら撃針を山なりに発射し、リロードの完了して振り向いたブラインドスポットを見事に捉え、あちらは明確に動揺しつつも寸前で回避し、左肩のフレア発射装置だけを犠牲に離脱する。そのままこちらは別種のミサイルを斉射しながら、再び全速力で詰めつつマシンガンを連射し、ブラインドスポットが左側にブーストして高速ミサイルの方へ逃げ、こちらはブーストを止めて即座に反転しながら再度全速力で突進し、生命エネルギーを転化した衝撃波を胴体部から解放してパルスマシンガンに持ち替えて距離を詰めていたブラインドスポットを巻き込む。

「なっ――」

 ブラインドスポットは姿勢を完全に崩して停止し、チャージした強化パイルバンカーの撃針で胴体を刺し貫いて衝撃で吹き飛ばし、地面へ叩き伏せる。

『“ブラインドスポット”の撃破を確認。

 お疲れ様でした』

 強化パイルバンカーの撃針を引き戻すとともに、視界が白けていく。

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