【第9章:もう一つの選択肢】

リセット後の時間の中で、直樹は違うアプローチを選んだ。


「変えるんじゃない。知ろう」


彼は洋子を救おうとする自分自身の焦りを抑え、ただ彼女のそばにいることに専念した。


未来の話も、無理な干渉もやめて。ただ、寄り添い、耳を傾けることにした。


——そして気づいた。


洋子の悩みの裏には、親友・京子の影があることに。


京子は表面上は優しく、穏やかで、誰からも信頼されていた。


けれどその内側には、冷たい静けさと計算高さがあった。


(京子……お前が、すべての鍵か)

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