【選評29】『掌編とかの短編たち』(著:発芽)

≪エントリーNo.6≫

【作品名】『掌編とかの短編たち』

【作者名】発芽

【作品へのリンク】https://kakuyomu.jp/works/16818792436271292512


 こちらは、五つの掌編を集めた短編ですね。楽しみです。


一、『箱庭の能力世界』


 能力と血筋によって全てが決まる世界。ふーむ……それって普通の世界とさほど変わらないような……(・ω・;)


 もし、ここが貴族社会のような時代なら尚更、農家の子は農家だし、商家の子は商家、貴族の子は貴族となりますよね。


 もう少し「能力」について具体的な描写があるとよかったかなと思いました。


 いわゆる異世界ファンタジーにある「スキル」のようなものなのか、適性に近いものなのかもしれませんよね。


 例えば、畑を耕すために体力が他の人よりも高いとか、食べると病気が治癒する野菜を育てることができるとか……。でも、主人公は、その特別な野菜を育てることができなくて、能力がダメだと言われている、などなど。


 「能力」という言葉だけで片付けられているため、そこが少し物足りなく感じました。


 こちらは誤字かな?

「カツカツと足跡が聞こえてきた」⇒「カツカツと足音が聞こえてきた」


「ハイヒールの音」が畑に響くかなぁ(;^_^A

 土の道にハイヒールの音は響かないんじゃないかなぁ~💦

 もしくは、コンクリートか石畳が傍に敷いてあるのでしょうか。


「褒められたようでつ嬉しくなった」⇒「褒められたようでつい嬉しくなった」かな?


「赤ん坊を抱きかかえた妻が微笑む。」

 ここはちょっと唐突というか、かなり性急ですね。


 全体で改行して行間を開けている分、場面の変化や時間の流れは「*」か何かで区切るか、それとわかるような一文があるとよいかなと思いました。


 主人公に突っかかってくる女の子は、主人公に好意をもっているから怒っているのか、それとも単純に自分の鬱憤を晴らすためだけに主人公へ突っかかってくるのかが、いまいち読み取れませんでした。どっちとも取れるかなぁ~と(゜-゜)


 もし前者なら、もう少し明確に好意をもっていることがわかるような描写があってもよかったかなと思います。


 能力の低い「僕」のところへ縁談がやってきて、お嬢様の女の子の縁談はうまくいかない、というのも、いまいち理由が判然とせず……。


 全体的にぼやかした書き方をされているので、まずは読者にどこを一番伝えたいのかを意識して書いてみるといいかもしれません。



二、『狼少女と狩人』


「楽しいんでもいるように」⇒「楽しんでもいるように」


 狩人が狼少女を狩るお話ですかね。

 う~ん……ちょっとコメントに困ります(´∀`*)ww



三、『悪役令嬢に転生したので田舎に逃げたら、公爵さまが追ってきた』


 これは面白かったですw

 よくあるテンプレの悪役令嬢ではありますが、そのワンシーンをコミカルにうまく書かれているなぁ~と感じました。


 とくに、大根以下の侯爵さまにウケました(´∀`*)w


「二人の恋は盛り上がらなったのかしら?」

⇒「二人の恋は盛り上がらなかったのかしら?」



四、『六畳一間』


 えっと……妊娠してから逃げようとするって、よほど相手の夫がひどい男なのか……逃げるなら妊娠する前に逃げればいいのに~(;´д`)


 一度は肌を重ねた、ということですからね。子供が可哀想です。。


 最後まで読んで、なんとなく筆者さまが書きたいことが伝わってきました。


 前半と後半では、かなり印象が変わる作品ですね。


 最初は、かなり無責任で自分勝手な女の話だな~と思いましたが、なるほど。プラトニックな逃亡愛を描きたかったのかなぁと。


 だとしたら、とても儚く美しい情緒ある作品だなと感じました。


 最後に「俺」は、彼女を取り戻しにはいかなかったのですね。


 何かこう……逃げて来た彼女を受け入れた「俺」、彼女を追えなかった「俺」、それらの心情が書かれていたら尚よかったなと思いました。



五、『未来を見た父と、過去に戻った息子』


 これはSFですね。

 タイムトラベルの能力がある父と息子ですか。

 話のテンポもよく、皮肉がきいていて面白かったです。

 あまりにも息子が間抜けすぎましたが……(;゚∀゚)



 色々なお話を読ませていただき、楽しかったです^^


 素人の言うことですので、真に受けないでくださいね。


 ご参加くださり誠にありがとうございました(*ᴗˬᴗ)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る