第2風め「交差点のチワワ」

_「たとえば“好き”じゃなくても。

それでも、一緒に“あの犬かわいかったね”って言えたら――少しだけ、近づけると思った。」_



🎬昼休み|はると親友みなとの、すこしニヤついた会話


みなと:「なあ、お前、つむぎちゃんと付き合ってんの?」


みなと:「あのさ、“つむぎのこと好き”って言ってたやん。聞こえてたよ、こっちは」


はる:「……なわけないでしょ。友達だよ、友達」


みなと:「ふーん。ま、そう言うならいいけど――お幸せに〜」

(ストローくるくる)


みなと:「GW近いしさ、誘ってみたら?」


はる:「……誘ってみようかな」

(小さな声で)

はる:「友達として、だからな」




🌬️あの“あやふやな言葉”のあとの、気まずい日々


- クラスでは、はるとつむぎの間に空気がひとつだけ澄んでいて

 → 会話、ゼロ

 → 目が合っても、お互い“気づかないふり”

- お弁当の時間も、帰り道も、どちらからも言葉が出なかった




📱詩織のさりげない後押し


詩織:「会いたいなら、LINEとか。直接ムリならさ。」


はる:「……うん。やってみる」


→ スマホを開いても、なかなか言葉が打てない

→ “おでかけしない?”と打ちかけて消して、書き直した内容は――



🐶LINEのやりとり(微笑ましく切ない)


はる:「さっき登校中に、めっちゃかわいい犬いた。白と黒のチワワ」


つむぎ:「え、それって交差点のとこでしょ! わたしも見た!🐶」


つむぎ:「めっちゃ可愛かった〜!ああいうわんちゃん好き!」


はる:「……俺も」


→ ふたりとも盛り上がる。絵文字も増えて、文も長くなる

→ でも、“でさ、良かったらどっか行かない?”の一文は、ずっと下書きのまま


はる:

_(ポケットにスマホをしまう。画面は暗くなった)_



🎐放課後の窓辺


- 校舎の廊下、陽が傾きかけて

- カーテンがふっと揺れ、教室の空気が少しだけ変わる


その風が、つむぎの髪をそっと揺らしていた。


はるは、遠くからその横顔を見つけた。


_「やっぱり誘おう」_


…次こそは。

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