魔王と勇者の配信生活 なお魔王は合法ロリ爆乳とする

星野林

第1話 魔王様、勇者を召喚する

 異世界に勇者として転移してしまったら……普通であれば、王様なんかに魔王を倒してくれと懇願されるのが普通だろう。


 しかし、俺の場合はちょっと……いや、かなり状況が違っていた。


「おお! 勇者の召喚に成功したぞ! 吾輩はやはり天才なのじゃ!」


 目の前には灰色の薄汚れたローブを身に纏い、その上からでもわかるたわわに実った巨乳……いや、爆乳がローブを押し上げていた。


背丈は小さいのに興奮して小躍りしている彼女が動くたびにブルンブルンとおっぱいが揺れる。


ただ彼女が普通と違うのはロリ爆乳であることだけでなく、美しい紫色の短い髪を持ち上げる頭の左右から生える黒く光る牛の角様な物が生えている点だろう。


 俺は困惑を続けるが、ロリっ子は続けて


「勇者よ! 良くぞ吾輩の要望に応え、召喚された! この魔王ゼフィガルド14世がお主の召喚を祝福するぞ!」


 ロリっ子……魔王かよ……。


 魔王が勇者召喚とか聞いたことねーぞ……。


「ちょっと状況を整理させてくれ。魔王様よ……」


「うむうむ、質問などがあればじゃんじゃん聞いてくれ」


 寛容なのか、馬鹿なのか……。


 魔王と名乗るロリっ子はニコニコしながら質問しても良いと言ってくれた。


 まずは状況の整理だ。


 まず俺の名前は武田政信(たけだ まさのぶ)、料理好き、ラノベ好きの配信者だ。


 普段は料理系動画や小説紹介、あとゲーム配信をして食っていたが、最後の記憶はガチャ配信で盛大に爆死して、やけ酒していたら……いつの間にかここに居た。


 うん、マジでよくわからん。


 これが異世界転移ってやつか? 


 キョロキョロと周辺を見てみると、魔王が住む様な城……では無く、山小屋の中みたいな場所である。


 足元には魔法陣、テーブルの上にはチョークとろうそくが転がっている。


ロリ魔王が描いたであろう魔法陣は線が少し歪で、折れてしまったチョークが床に捨てられている。


ろうそくには火が先程まで灯っていたのであろう。


先端から煙が出ている。


奥には木製のベッドとクローゼットが見え、シーツの中には藁が詰められているのか、ベッドの下には藁が散らばっている。


開かれたクローゼットからはロリ魔王の服が数着下がっており、どれも野暮ったい印象を受ける。


「質問良いか? 魔王様」


「うむ! なんでも聞くのじゃ」


ロリ魔王は何でも聞けと威厳を出そうとしているのか、知識をひけらかしたいのか胸を張るが、どんなに威張ってもロリ魔王はロリ魔王。


デカパイがバルンバルンと揺れるだけで威厳の欠片もない。


「俺の知る魔王って豪華な城に配下を侍らせて人間世界を侵略だーってノリなんだけど……」


「なにそれ……すっごい野蛮じゃな」


 ロリっ子魔王はドン引きしている。


 この世界の魔王は違うらしい。


「じゃぁ魔王様はなんで勇者召喚の儀式なんかしたんだ?」


「うむ! 良い質問じゃな! それは吾輩魔法が得意でな! 色々な魔法の文献を漁っていたら勇者召喚の儀式の魔法があったのだ! 好奇心が抑えられずについやってしまった! まさか成功するとは思わなかったがな!」


そりゃあんな歪な形をした魔法陣が成功するとは俺も思わないがな。


でも成功させたということは実力はあるのだろう。


ん?待てよ、ロリ魔王も成功するとは思わなかったって言ったよな?


「おい、じゃぁもしかして俺は元の世界に帰れないのか?」


俺がそう言うと、ロリ魔王はプイッと顔を背けて汗をダラダラかきながら


「帰る方法は文献に載っていなかったな。一方通行じゃ……」


と申し訳なさそうに告げてくる。


「おいおい! ふざけんな! いきなり呼び出されて生きていけってか!」


 俺はロリっ子魔王のほっぺたを引っ張る。


 柔らかくて結構伸びる。


「いはい、いはい(痛い、痛い)!」


 引っ張るのを辞めると、赤くなったほっぺたを擦りながら


「確かに異世界人の勇者をこのまま1人で生活させるのは心許ない。しょうがないのぉ……吾輩が勇者が生きていけるまで面倒をみてやるとしよう……」


「そうしてくれ」


 ここでいきなり呼び出したんだから面倒くらい見てくれと怒りたい気持ちをグッと堪えて、質問を続ける。


「なぁ魔王様、俺が知る異世界に召喚された勇者って特殊能力を持っていたり、授かったりするんだが、そういうのはあるのか?」


異世界に来たらお約束のチート能力。


ロリ魔王が勇者というのだから俺にもそんな能力があるのではないかと期待してしまう。


「おお、あるぞあるぞ。文献には勇者には特殊な力を授かると書いてある。頭の中に出来そうな事が思い浮かんでくるらしいぞ」


 随分と抽象的だな……頭の中にできることを俺は思い浮かべる。


 すると頭の中に掲示板サイトみたいなのが浮かび上がってきた。


 1:1

 なんか浮かび上がってきたんだけど……お、頭で思ったことが出力される


 2:名無しの転移/転生者

 新米か! 新米だな! 


 3:名無しの転移/転生者

 囲め囲め


 4:名無しの転移/転生者

 ハッピーバースデー! ようこそ異世界転移、転生者の集いへ


 5:1

 うお、なんかいっぱい居る


 6:名無しの転移/転生者

 新米さんに紹介しよう。

 ここは異世界に転移、もしくは転生した者が自由に情報交換や物品の交換ができる異世界掲示板さ。

 有名になればコテハンと呼ばれる名前が付けられたりするよ。

 ちなみにここに居る人達は同じ世界に住んでいない事もあるから注意ね


 7:1

 親切にどうも……同じ世界では無い場合って事は他の世界の人と物々交換が出来るってことですか? 


 8:名無しの転移/転生者

 そう、出来る。

 ただここに書き込める連中は地球に帰れてないってことだけ覚えておいてくれ。

 地球に帰れた人は書き込みができなくなるらしい。


 9:1

 なるほど……


 10:名無しの転移/転生者

 チートは確認してみたかい? 


 11:1

 これがチートじゃないんですか? 


 12:名無しの転移/転生者

 いやいや、有志で解析したが、異世界の人の言語を聞き取れるのとこの掲示板、その世界に適応できる体になれる機能は転移、転生者全てが受け取れるギフトさ


 13:名無しの転移/転生者

 言葉が通じないのも辛いが、異世界に適応できる体が無いと酸素濃度が違ったり、異世界の魔素だったりエーテルだったりよくわからない元素が元の身体には有毒の可能性があるからね


 14:名無しの転移/転生者

 俺はそのお陰でスペース・オペラみたいな世界でも生きて行けてるよ……


 15:名無しの転移/転生者

 異世界でもファンタジーっぽいのから近未来チック、ガッツリSFやスチームパンク……色々あるからね


 16:1

 はえ~……じゃぁチートの確認方法とかあります? 


 17:名無しの転移/転生者

 念ずればできることが思い浮かんでくるよ


 18:名無しの転移/転生者

 あと前世の職業や趣味でチートが左右されることもあるな


 19:名無しの転移/転生者

 チートも1つだったり複数だったり色々だな


 20:1

 ちょっと試してみます






 掲示板の先輩方の指示に従って、できることを思い浮かべるとポンとビデオカメラとパソコンが現れた。


「ん! それが勇者の能力なのじゃ?」


 ロリっ子魔王が聞いてくるのでそうだと応え、ビデオカメラを起動してみると、動画の撮影ボタンを押したらしく撮影が始まった。


「これで動画が撮れるっぽいな。動画が撮れて何になるんだって話だが……パソコンの方はなんだ?」


 画面には先程ビデオカメラで撮った動画と、異世界通販、異世界配信というアプリが入っていた。


 異世界通販を押してみるとズラッと様々な商品が並んでいる。


 ぶっちゃけネット通販そのもので、地球産の食料や調理器具、中には寝具や洋服なんかも売られていた。


 流石に武器は無かったが。


 で、異世界配信なるアプリを押してみると、配信画面になり、撮った動画のアップロードもしくはライブ配信ができるっぽい。


 あとは簡単な編集もできるかも? 


 そしてメールボックスに1通通知が入っていた。


『ご利用ありがとうございます。異世界配信者様』


『ここの配信では1再生毎に0.1円、スパチャなどでギフトが贈られますと、そのまんまの金額を配信者様が受け取ることができます』


『そして得られたデジタル通貨はネット通販で物を購入することができるようになっています。他に困った事があればヘルプの欄をご覧ください。それでは良い異世界ライフを……』


 とのことだった。


 随分とご丁寧なこった。


 つまり俺は異世界の様子を配信して再生数かスパチャを稼ぎ、それで物資を購入して、それを更に再生数に繋げるということだろう。


 なんとなくだが、チートの使い方がわかってきたぞ……。


 それに掲示板を使った物品の物々交換……これも活用すれば凄いことが出来そうである。


「おーい、勇者、聞こえているのかのぉ?」


「おっと、悪い悪い。思考にふけっていた」


「ふむ、能力の確認はできたか?」


「ああ、なんとなくやるべきことは見えてきた。次はこの世界がどんな世界なのか……政治だったり産業だったりを教えてくれ」


「もちろん教えるのじゃ」


 ロリっ子魔王様による講義が始まるのであった。





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